知っていると、少しだけためになるかもしれない小技。

近年では、EMGブランドなどのコネクター式ソルダーレス(ハンダ付け不要)の回路も徐々に増えておりますが、エレキギターの回路をくみ上げるには今だハンダ付けを要するのが普通です。
エレキギターの回路は比較的シンプルな設計ですので、改造などDIYを楽しむ愛好家も多い事でしょう。
ただ、ハンダ付けなど一切したことが無いという方には、少々難しく思えるのも確かです。
以前もそうしたハンダ付けについて、
この小技で取り上げた事もありますが、今回さらにハンダ付けに使用する”ハンダ”その物についての豆知識を今回の小技としてご紹介させて頂きたいと思います。

そもそも、市販されているハンダには、”鉛入り”や”鉛フリー”、さらには”ヤニ入り”かそうでないかの違い等があります。
線材自体の細さも色々。
ハンダ付けをしたことが無いという方であれば、これらの違いは何なんだと、まず疑問に思ってしまわれるかと思います。
もっと細かく言えば、ハンダは鉛と錫の合金な訳ですが、その合成比率はメーカーによっても異なり、他の物質が含まれている場合もあります。
基本、鉛と錫の合金である筈なのに”鉛フリー”とはどういう事なのか?
そこには、どういった差が生まれるのかをまずご説明致しましょう。
金属にあまり興味が無い方でも、何となく”鉛”は環境汚染の原因になったり、人体に有害だというのはご存じなのではないでしょうか。
”鉛フリー”のハンダが使われる様になった経緯も、まさにその環境や人体に有害であるが故です。

では何故、環境や人体に悪影響があるとされる”鉛入り”のハンダが今現在生産され、使われ続けているのかというと、これは”扱い易いから”というのがその大きな理由であります。
鉛が使用されているハンダの場合、その融点は200°以下。
しかし、”鉛フリー”ハンダの場合には、鉛に代替する物質を使用する事で、融点は200°以上に上がってしまいます。
その為、ハンダごて自体に高い温度が求められる(大体、融点よりも+50°)事となり、結果ハンダ付けの難易度が上がってしまうのです。

今では、温度設定付きのハンダごても多く販売されておりますので、昔ほどの大変さは少なくなっているのかもしれませんが、ハンダが溶ける温度が高くなればなるほど、作業はし難くなってしまいます。
加えて、ハンダ自体のコスト面を考えてみると、鉛より錫の含有率が高い程高価。
鉛フリーの場合には、鉛の代替素材の方が高価という図式。
鉛入りハンダの方が扱い易く安価であるという事からも、今だ多く利用されている結果に結びついているのだと思われます。
以上の事から、”鉛入り”ハンダと”鉛フリー”ハンダとでは、ハンダ初心者であれば扱い易い”鉛入り”。
技術に自信があったり、しっかりとした機材が揃えられているのならば”鉛フリー”という選択が無難なのではないかと思います。
次回は、”ヤニ(フラックス)入り”ハンダについて。
来週に続きます。


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