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Author:BlackDog
50代。妻子持ちの普通のおっさんによる、趣味のエレキギターblogです。


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締め切ったトラスロッド

 調律した状態では常に強い力が加わっているギターのネック。

 多くのギターネックの場合、その素材は天然木ですので当然反りが発生します。

 それを補正する為にギターのネックにはトラスロッドという金属製部品が仕込まれているものですが、その調整幅は無限ではありません。

 あまりにネックが反ってしまえば、それ以上の調整は不可能となります。

 順反りを修正する為にトラスロッドを限界まで絞め込んでしまえば、それ以上の調整は出来ません。


 以前、私所有のコンディションの悪い古いギターを使える状態にしようと手を入れたことがあります。

 そのギターのネックがトラスロッド締め切りでもやや順反りと言う状態でした。

 (しばらくの間、弦を張らずに休ませた結果、運よくほんの少しだけ状態が改善しまた使える様になったという経緯があります)


 それからまたしばらく経って、トラスロッドを限界まで締め切ってもかなりの順反りという状態になってしまいました。

 しかし、これは予想出来た事です。

 一度そこまで反りを見せてしまうようなネック(素材)は、そちらの方向に動きたがっているという事でもあると考えられるからです。

 多少、湿度や保管状況に注意したとしても、やはりまた反って行ってしまうわけです。


 困った状態になってしまったネック。

 古いものだから諦めるかとも考えたのですが、きつい指板Rで細いヴィンテージフレット、トライアングルシェイプと今あまり見かけない仕様のネックだという事もあって勿体ないなと思ってしまいました。


 そこで、少しでも使える状態にしようと一つの手段を講じました。


CIMG3316.jpg

 ネックエンドでトラスロッド調整するタイプのネックですので、まずはネックを分離。

 ネックを取り外し可能なボルトオンジョイントならではの仕様ですが、少々面倒なタイプでもあります。

 (ロッド調整後、すぐチューニングをして反り状態を確認出来ないのも厄介です)


CIMG3317.jpg

 そして、ネックエンドの穴の奥に、トラスロッドを調整するトラスロッドナットが仕込まれています。

 本ネックの場合、今やあまり見かけないプラスドライバーで調整するタイプのトラスロッドナットが収まっています。

 ロッドナットが収まっている穴の内径は約10mm。


 ここから、時計回りに締め切っているロッドナットを反時計回りにひたすら緩めて行きます。


CIMG3318.jpg

 すると、トラスロッドナットが外れました。

 システム的には至って簡単、ネック内に仕込まれたロッドの先がボルトの様になっていて、このナットを絞め込むとロッドが引っ張られるという仕組みです。


 かなり大きな力で絞め込んだロッドナット。ネジ山が若干なめている状態なので、別の六角ボルトタイプのトラスロッドナットと交換しようと思ったのですが・・・ロッド先と径が合いません。

 このトラスロッドナット、掘られているネジ径が思いのほか細いタイプだったようです。


CIMG3319.jpg

 ロッドナット交換は諦めて、このまま使う事にしました。

 そして次に用意したのは、ネックに開けられた穴(10mm)に収まり、ロッド部分に通る5mm弱の内径を持つワッシャー類。

 厚みを稼げれば良いので、特にスプリングワッシャーを選んだという訳ではありません。

 スペーサーとして使うので、サイズが合えば何でも良いです。


 これを、ネック内のトラスロッドの先に通し、その上からトラスロッドナットを取り付けました。


CIMG3320.jpg

 ロッドナットを絞め込むと初期状態より仕込んだナットの分だけ手前にロッドナットが見える状態になりました。

 つまり、ロッドとナットの間にスペーサーを挟んだことで、何もしない状態よりも更にロッドを絞め込める(ロッドを引っ張れる)状態にした訳です。


CIMG3326.jpg

 こうして、弦を張らない状態でネックをほぼストレートに調整出来ました。

 とはいえ、こうしたらこうしたでフレットすり合わせや弦高調整など、全体のセッティング見直しが必要になるのでまた大変です。


 さて、物凄く簡単に見える今回のメンテナンス。

 トラスロッド締め切りのネックでも多少使える状態にすることが可能です。

 但し、この方法はかなりの力技であることをお忘れなく。


 トラスロッド調整と言う物自体、無理に勢いよくやれば、ネックに取り返しの付かない損傷を引き起こしかねない作業です。

 今回の様なスペーサーを挟む方法も何時までも何処までも可能な方法ではありません。

 ゆっくり調整したとしてもあまりに無理がかかれば、ネックの内部破壊や指板剥がれ等を起こす可能性があります。

 しかし、もうこのネックは使えないと諦めてしまう前には、試してみる価値のある方法かもしれません。

 (もちろん高級品や大切な品であれば、プロリペアマンに見てもらい任せるのが最良です。)





Roland / JC-40 Jazz Chorus




楽器総合小売店の石橋楽器!
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謎の中国製パーツ

 先日手入れを致しましたPhotogenic V。

 まだちょっと気になる点がありまして、そのパーツ交換をしようと思ったのが事の始まりです。

CIMG3274.jpg

 問題の個所というのは、チューニングペグで御座います。

 どうもペグボタンと本体の間にあるべきラバーリングが欠損しておりまして、その隙間からグリスがにじみ出ている状態でありました。

 所詮廉価ギター。これだけなら多少目を瞑る所なのですが、何よりガタツキが大きくあまり操作感がよろしくないのが気になります。


 そこで、何か手ごろなチューニングペグは無いかと手持ちの中古ストックを見て回りましたが、現在手元に残っているのは片側6連のペグばかり。

 
 仕方がないので、手ごろな品は無いかと探してみる事にしました。

 以前、中国製と思しき格安チューニングペグセットを購入した事があり、思いのほか使える製品であった事を思い出しまして、廉価ギターにはそれで十分とばかりに同様の製品は無いかと探すことしばし。


 すると、インターネット通販でお馴染み「amazon.co.jp」で気になる製品を発見。

 皆さんご存知かと思われますが、「amazon.co.jp」というのは面白いシステムの所で、amazon自身が自社倉庫に在庫を保管し通信販売をしているだけでなく、業者から委託された品をamazon倉庫に保管しamazonが発送するケースや、メーカーや個人が商品を出品し、その業者が発送を行うといった取引方法の違う製品が混在しています。
 
 私が気になった製品は、メーカーもしくは個人が出品しているストアの製品でした。


 何故そのストアの製品が気になったかといいますと、思わず「マジか」と言いたくなるくらい激安であったからであります。

 国内有名メーカーや有名リプレイスメントパーツメーカーの品に比べれば、中国製パーツなどは随分廉価な製品が多いものですが、そのストアに並ぶ品々は、中国製だと考えても恐ろしく激安でした。


 一体何なんだこれはと興味を持った私は、そのストアの出品者情報を確認してみた訳ですが、やはりというか日本ではありませんでした。住所地は”深セン市”となっています。お隣中国の業者という事ですね。


 今現在、世の中に相当な本数の廉価ギターが流通している事を思えば、お隣中国で膨大な量の廉価パーツも同時に作られていると考えられます。

 そうしたパーツ製造業者や卸業者が日本のamazonに進出し、直接小売りを始めたと言う事なのでしょうか?


 何より出品物を見ていって驚いたのが、取り扱う部品の種類の多さ。

 今日日、1万円以下の格安ストラトキャスターも珍しくありませんので、ストラトキャスターやテレキャスター、レスポール等。定番機種の廉価パーツ類を扱っていると言うのは想像出来ます。

 ところがそれだけでなく、少々マニアック(?)なパーツ、ボックスタイプのハードテイルブリッジやローラーサドルのチューンオーマチックブリッジ、シングルサイズハムバッカーピックアップやらH-Hのピックガード付き配線済みストラト用アッセンブリーなど色々出品されています。

 フレットワイヤーやらポジションインレイまで扱っているのにはびっくりです。

 トグルスイッチノブ30個セットの出品には少々笑いましたが。


 そうした中、目的のチューニングペグセットを発見。

1 SET OF 6 ギター用マシンヘッドチューナー3R3L




 エレアコ用となっていたり、アコースティックと付いていたり、良く分からない商品構成ですが、ペグボタン違いや、ゴールド・ブラックなどカラーも色々選べます。

 該当ページを開き、商品の説明を読んでみると、おかしな日本語が炸裂していてこれが第二の笑い所。

 それはともかく、写真で見る限り見た目は十分な品が1,000円以下。

 全くどうなっているのでしょう?


 しかし、私は更に驚くこととなります。

3L3R オートロックエレクトリックアコースティックギターマシンヘッド クロム moyinmusic




 なんと、ロック式と思われるチューナーも取り扱っているではありませんか。

 価格も、先ほど見た通常のペグより少しお高め程度。

 これこそ信じられません。

 本当に使える代物なのか?と思いながらも私の悪い癖、面白半分な興味が首をもたげます。


 有名なことわざに「君子危うきに近寄らず」という言葉がありますが、君子とは程遠い私は面白半分で注文してしまいました。どうぞ笑ってやってください。


 さて、程なくamazon経由でストアより届いたメール。

 お問い合わせ伝票番号○○××○○CN、末尾CNは中国郵便の略です。

 反映に時間がかかる為、リアルタイムに確認という訳には参りませんが、日本郵便株式会社のホームページで郵便追跡サービスを利用する事により郵便の取り扱い・所在確認が出来ます。

 商品ページには、「約10日-14日でお届け」と明記してありましたが、実際は注文から5日程で届きました。


 我が家に届いた、CHINA POSTからの小さな封筒。

CIMG3277.jpg

 開けてみると、何ともワイルドな状態でビニール袋に入れられたチューニングペグが姿を現しました。

 本体を確認してみるとLとRと刻印された物がきちんと三つずつ。

 数字もかいてありますがバラバラで、○弦用という訳でもなさそうです。

 弦のロックはスパーゼルブランドの物の様に、ヘッド裏からねじを回して固定するタイプ。

 気になったのは、弦を通す穴内部に見える、弦を押さえるニードル状の部品。

 ニードル状と書きました様に、先端が細く尖った形状になっています。

 こんなもので本当に弦を固定出来るのか???と少々疑問を持ちました。


CIMG3278.jpg

 いざ取り付け。左半分だけ今回のロック式に変更した所です。

 商品画像でなんとなくは分かっていたのですが、やけにペグボタンが小さいタイプです。

 元々ついていたチューニングペグのボタンが大き目な物だったので、ちょっと見た目のバランスが変わりますね・・・。


CIMG3280.jpg

 チューニングペグを換装し終えいざ使用してみると、やはりこの小さなペグボタンはどうも使い辛いということで、結局ペグボタンだけはもともと付いていた物に変更。

 さて、肝心のロック式の部分ですが・・・

 先ず最初の問題は、例の弦を固定するニードル状の部品。

 おそらく、中のグリスが固いせいで、ヘッド裏のダイヤルを緩めても下に降りて行きません。

 仕方ないので、ギター弦の先端でちょっと突いてやる事に。すると、降りて行きました。


 後は、弦を引っ張り気味にヘッド裏のダイヤルを回していって弦をロックします。

 意外と・・・固定出来るものですね。

 細い弦。一弦はどうでしょう?

 六弦程簡単ではありませんが、弦を通す穴の形状を利用する感じ、少し弦を上方向に持ち上げる感じで引っ張りながらロックすると、これまた問題なく固定出来ました。


 少々コツみたいなものは必要ですが、ちゃんとロック出来てしまいました・・・。


 amazon商品ページには”オートロック”なんて書いてありましたが、その部分については微妙です。

 ペグを回すと背面のダイヤルが連動するようなしないような挙動はみせますが、果たしてこれをオートと言って良いものかどうかは疑問です。


 チューニングペグの操作感としては、まあお値段相応と言った感じ。

 同じ格安品でも、練習用ギターIJG250に付いているチューニングペグの方がしっかりしています。

 チューニング安定性に関しましては、ロック式以前にナットがダメ(未調整)なのではっきりした事は言えません。

 後は耐久性ですが、これは使って行ってみないと何とも言えない所であります。


 総合的に見て上等なギターに使えるかと言うと、個人的にはあまりお勧めできません。(そんな酔狂な方はいらっしゃらないとは思いますが)


 しかし、それなりの品質のパーツが格安で手に入るというのは、ギター弄りが好きな人間にとっては大変うれしいものです。

 練習用ギターのモデファイや改造。古くなってパーツがダメになったギターをコストをかけず修復したいなんて場合に重宝すると思います。


 今回、大満足という所までは行きませんでしたが、弦交換が非常に楽になったのは嬉しいです。

 同ストアの格安ピックアップなんてものも気になりますが、中国製ピックアップで「こりゃ凄い!」という物に当たった試しが無いんですよね。流石にピックアップはダメでしょうかね。



 今回利用したストアページ→moyinltd 高品質を即日出荷 約10日-14日でお届けのストア



 最後になりますが一つご注意。

 こうした海外業者との取引事故、海外郵便のトラブルと言う話を聞かない訳では御座いません。

 amazonを介しての取引とは言え、リスクは在ると考えた方が良いと存じます。

 私個人と致しましても、徒にこちらのストアをお勧めするつもりは御座いません。

 その辺りはご理解頂きますようお願い申し上げます。



Photogenic Vのリペア

 先日、記事の中でご紹介しました私所有のPhotogenic製フライングVタイプのギター。

 通常のギターと同じように扱うのが困難なこのモデル。

 実は、その扱い難さを楽しむばかりで、普段アンプに繋いで使用しておりません。

 と言うのも、アンプに繋いで使用するには難がある状態なのです。


CIMG3252.jpg

 先ずは、この見た目。

 これは難という訳では無いのですが、廉価コピーモデルのフライングVにありがちな、コントロールノブがFender系という仕様。

 マイケルシェンカーモデルでしたら問題ないのですが、通常のフライングVとしては不釣り合いな感じに見えてしまいます。

CIMG3257.jpg

 そこで、先ずはこのコントロールノブをリフレクタータイプの物に変更。


CIMG3259.jpg

 これだけで、随分と”らしく”見えてしまうものですね。


 続いて、難の部分。

CIMG3263.jpg

 リアピックアップが水平では無く、むしろ逆アングルにくっついている感じです。

 中古として売られている時点でこれは把握していたのですが、V型であれば良いという不純(?)な動機で手に入れたフォトジェニックV。

 後でどうにかなるとあまり気にしていませんでした。

 しかし、いざリアピックアップの高さを調性しようとしてみると、これが上手く上下してくれません。

 そんな個体ですので只同然の価格で手に入れられたというのもあるのだと思います。


CIMG3266.jpg

 そこで、ピックガードを外して状態を確認。

 ピックガードマウントスクリューが13本もあるので、ピックガードを外すだけでなかなか一苦労です。

 中身は意外と綺麗。ザグリの仕方もそれなりに丁寧に見えます。

 伝導塗料などは望むべくもありませんが、ボディ塗装はしっかり厚め。

 廉価ギターと考えると十分優秀な感じであります。

 ピックアップを外してピックガードを乗せてみたり、色々と確認してみた所、リアピックアップ部のザグリがタイトなのにも拘わらず加工精度がイマイチ。

 その為、リアピックアップの高さ調性をしようとするとボディに干渉してしまい、上手く上下出来ない状態だという事が分かりました。

 厚めなボディ塗装も余計に窮屈さを産み出している原因です。

CIMG3275.jpg

 これを修正する為、ブリッジ側のボディザグリを研磨。ザグリを広げる事にしました。

 最終的には、木地が露出するまで塗装を剥がす事に。

 すると、どうにかリアピックアップと干渉しない状態に持って行けました。


CIMG3272.jpg

 ついでに、どうも音の分離が悪く、低音ばかりが強調されたようなピックアップを手持ちのFernandes製ピックアップと交換。

 これまた、20年程前の廉価ギターに付いていたものですが、好きで結構使い続けたピックアップなので、このギターにも合うのではないかと乗せてみました。

 元々はプラスチックカバーが乗っていたピックアップですが、ピックガードの穴がタイトな為このカバーは諦め、外して使う事にしました。

 カバーが付いた状態で使用していたため、相当古いピックアップにも拘わらずボールピースはピカピカです。


CIMG3273.jpg

 もう一つついでに、SCUDから発売されているシャーラー製ロックピン互換ストラップピンに交換。

 あると便利、優秀なリプレイスメントパーツです。


CIMG3274.jpg

 組み上げて音を出してみた所、予想以上に良い感じに鳴ってくれました。

 しかし今回、ネック側のピックアップは交換しなかったので、双方のバランスがちょっと良くないです。


 そもそも、元々付いていたピックアップが先ず良くありません。

 やたらとパワーはあるんですけどね・・・輪郭のはっきりしないぼやけた音です。

 これもまたその内どうにかしなければなりません。

 こういう、あまりよろしくないピックアップに出会う度に、ピックアップ作りというのは難しいものなのだなと思い知らされてしまいます。


 しかしまあ、楽器としてトータルで完成された物を廉価ギターに望むのは酷と言えるでしょう。

 唯、少し手をかけてやれば化けるというのも、こうした廉価ギターの面白味であると思います。




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