先日手入れを致しましたPhotogenic V。
まだちょっと気になる点がありまして、そのパーツ交換をしようと思ったのが事の始まりです。

問題の個所というのは、チューニングペグで御座います。
どうもペグボタンと本体の間にあるべきラバーリングが欠損しておりまして、その隙間からグリスがにじみ出ている状態でありました。
所詮廉価ギター。これだけなら多少目を瞑る所なのですが、何よりガタツキが大きくあまり操作感がよろしくないのが気になります。
そこで、何か手ごろなチューニングペグは無いかと手持ちの中古ストックを見て回りましたが、現在手元に残っているのは片側6連のペグばかり。
仕方がないので、手ごろな品は無いかと探してみる事にしました。
以前、中国製と思しき格安チューニングペグセットを購入した事があり、思いのほか使える製品であった事を思い出しまして、廉価ギターにはそれで十分とばかりに同様の製品は無いかと探すことしばし。
すると、インターネット通販でお馴染み「amazon.co.jp」で気になる製品を発見。
皆さんご存知かと思われますが、「amazon.co.jp」というのは面白いシステムの所で、amazon自身が自社倉庫に在庫を保管し通信販売をしているだけでなく、業者から委託された品をamazon倉庫に保管しamazonが発送するケースや、メーカーや個人が商品を出品し、その業者が発送を行うといった取引方法の違う製品が混在しています。
私が気になった製品は、メーカーもしくは個人が出品しているストアの製品でした。
何故そのストアの製品が気になったかといいますと、思わず「マジか」と言いたくなるくらい激安であったからであります。
国内有名メーカーや有名リプレイスメントパーツメーカーの品に比べれば、中国製パーツなどは随分廉価な製品が多いものですが、そのストアに並ぶ品々は、中国製だと考えても恐ろしく激安でした。
一体何なんだこれはと興味を持った私は、そのストアの出品者情報を確認してみた訳ですが、やはりというか日本ではありませんでした。住所地は”深セン市”となっています。お隣中国の業者という事ですね。
今現在、世の中に相当な本数の廉価ギターが流通している事を思えば、お隣中国で膨大な量の廉価パーツも同時に作られていると考えられます。
そうしたパーツ製造業者や卸業者が日本のamazonに進出し、直接小売りを始めたと言う事なのでしょうか?
何より出品物を見ていって驚いたのが、取り扱う部品の種類の多さ。
今日日、1万円以下の格安ストラトキャスターも珍しくありませんので、ストラトキャスターやテレキャスター、レスポール等。定番機種の廉価パーツ類を扱っていると言うのは想像出来ます。
ところがそれだけでなく、少々マニアック(?)なパーツ、ボックスタイプのハードテイルブリッジやローラーサドルのチューンオーマチックブリッジ、シングルサイズハムバッカーピックアップやらH-Hのピックガード付き配線済みストラト用アッセンブリーなど色々出品されています。
フレットワイヤーやらポジションインレイまで扱っているのにはびっくりです。
トグルスイッチノブ30個セットの出品には少々笑いましたが。
そうした中、目的のチューニングペグセットを発見。

エレアコ用となっていたり、アコースティックと付いていたり、良く分からない商品構成ですが、ペグボタン違いや、ゴールド・ブラックなどカラーも色々選べます。
該当ページを開き、商品の説明を読んでみると、おかしな日本語が炸裂していてこれが第二の笑い所。
それはともかく、写真で見る限り見た目は十分な品が1,000円以下。
全くどうなっているのでしょう?
しかし、私は更に驚くこととなります。

なんと、ロック式と思われるチューナーも取り扱っているではありませんか。
価格も、先ほど見た通常のペグより少しお高め程度。
これこそ信じられません。
本当に使える代物なのか?と思いながらも私の悪い癖、面白半分な興味が首をもたげます。
有名なことわざに「君子危うきに近寄らず」という言葉がありますが、君子とは程遠い私は面白半分で注文してしまいました。どうぞ笑ってやってください。
さて、程なくamazon経由でストアより届いたメール。
お問い合わせ伝票番号○○××○○CN、末尾CNは中国郵便の略です。
反映に時間がかかる為、リアルタイムに確認という訳には参りませんが、日本郵便株式会社のホームページで郵便追跡サービスを利用する事により郵便の取り扱い・所在確認が出来ます。
商品ページには、「約10日-14日でお届け」と明記してありましたが、実際は注文から5日程で届きました。
我が家に届いた、CHINA POSTからの小さな封筒。

開けてみると、何ともワイルドな状態でビニール袋に入れられたチューニングペグが姿を現しました。
本体を確認してみるとLとRと刻印された物がきちんと三つずつ。
数字もかいてありますがバラバラで、○弦用という訳でもなさそうです。
弦のロックはスパーゼルブランドの物の様に、ヘッド裏からねじを回して固定するタイプ。
気になったのは、弦を通す穴内部に見える、弦を押さえるニードル状の部品。
ニードル状と書きました様に、先端が細く尖った形状になっています。
こんなもので本当に弦を固定出来るのか???と少々疑問を持ちました。

いざ取り付け。左半分だけ今回のロック式に変更した所です。
商品画像でなんとなくは分かっていたのですが、やけにペグボタンが小さいタイプです。
元々ついていたチューニングペグのボタンが大き目な物だったので、ちょっと見た目のバランスが変わりますね・・・。

チューニングペグを換装し終えいざ使用してみると、やはりこの小さなペグボタンはどうも使い辛いということで、結局ペグボタンだけはもともと付いていた物に変更。
さて、肝心のロック式の部分ですが・・・
先ず最初の問題は、例の弦を固定するニードル状の部品。
おそらく、中のグリスが固いせいで、ヘッド裏のダイヤルを緩めても下に降りて行きません。
仕方ないので、ギター弦の先端でちょっと突いてやる事に。すると、降りて行きました。
後は、弦を引っ張り気味にヘッド裏のダイヤルを回していって弦をロックします。
意外と・・・固定出来るものですね。
細い弦。一弦はどうでしょう?
六弦程簡単ではありませんが、弦を通す穴の形状を利用する感じ、少し弦を上方向に持ち上げる感じで引っ張りながらロックすると、これまた問題なく固定出来ました。
少々コツみたいなものは必要ですが、ちゃんとロック出来てしまいました・・・。
amazon商品ページには”オートロック”なんて書いてありましたが、その部分については微妙です。
ペグを回すと背面のダイヤルが連動するようなしないような挙動はみせますが、果たしてこれをオートと言って良いものかどうかは疑問です。
チューニングペグの操作感としては、まあお値段相応と言った感じ。
同じ格安品でも、練習用ギター
IJG250に付いているチューニングペグの方がしっかりしています。
チューニング安定性に関しましては、ロック式以前にナットがダメ(未調整)なのではっきりした事は言えません。
後は耐久性ですが、これは使って行ってみないと何とも言えない所であります。
総合的に見て上等なギターに使えるかと言うと、個人的にはあまりお勧めできません。(そんな酔狂な方はいらっしゃらないとは思いますが)
しかし、それなりの品質のパーツが格安で手に入るというのは、ギター弄りが好きな人間にとっては大変うれしいものです。
練習用ギターのモデファイや改造。古くなってパーツがダメになったギターをコストをかけず修復したいなんて場合に重宝すると思います。
今回、大満足という所までは行きませんでしたが、弦交換が非常に楽になったのは嬉しいです。
同ストアの格安ピックアップなんてものも気になりますが、中国製ピックアップで「こりゃ凄い!」という物に当たった試しが無いんですよね。流石にピックアップはダメでしょうかね。
今回利用したストアページ→
moyinltd 高品質を即日出荷 約10日-14日でお届けのストア
最後になりますが一つご注意。
こうした海外業者との取引事故、海外郵便のトラブルと言う話を聞かない訳では御座いません。
amazonを介しての取引とは言え、リスクは在ると考えた方が良いと存じます。
私個人と致しましても、徒にこちらのストアをお勧めするつもりは御座いません。
その辺りはご理解頂きますようお願い申し上げます。