前回の気になるギタリストは、特別な事情から2度目のご紹介となる方でしたが、今回も(良い意味での)特別な事情から2回目のご登場となるこのお方。
日本が誇るハードロックバンド「人間椅子」のギタリスト、「
和嶋慎治」氏でございます。
その特別な事情については、ファンの方ならば既にご存じの事だと思います。
今年2020年2月に「人間椅子」は初の海外ワンマンツアーを成功させました。
実に最初のメジャーデビューから30年余りを経ての快挙。
最初のメジャーデビューと言いますのも、全てが順風満帆とは言えなかった彼らは、デビューした後も再びインディーズ活動を経たりしながら活動を続けて来たという経緯があるからであります。
”メジャーレーベルに所属するアーティスト”と言うものは、やはり目に見える形で売れなければならない。
そんな宿命というか当然というか。非情な世界に身を置くことに他ならないのかもしれません。
故にメジャーレーベルのアーティストは、時に自分たちのやりたい事とは違うモノをやらなくてはならない場合もあるのかもしれません。
しかし、「和嶋慎治」氏はそれを頑なに拒否。
己が信じた道を貫き通し、長年アルバイトを続けながらバンド活動を行って来たという魂のロックミュージシャンなのであります。

デビュー間もない頃には、兎角そのバンドイメージだけを見て彼らを色物だと決めつける人間も多かったとは思いますが、人間椅子の地道な活動を見せられるうち、徐々にファン層も拡大。
特に近年はインターネット動画サイトなどの流行もあってか海外でも注目を集める様になり、それがデビュー30年以上経た今の海外公演へと繋がったとも言えると思います。
しかし、それもこれも全ては類まれな才能を持つ和嶋慎治氏並びに人間椅子メンバーの音楽にかける情熱があったからこその結果だという事は疑う余地もありません。
さらに今年9月には、ドキュメンタリー映画「映画 人間椅子 バンド生活三十年」が日本各地の映画館にて公開。
絶えず進化を続けてきた人間椅子和嶋慎治氏の今の姿がスクリーンに映し出される事となりました。
「今の」和嶋氏と言えば、現在Youtubeには人間椅子の公式チャンネルの他に和嶋氏の公式チャンネル「哀愁のワジマシーン」なども公開されております。
ソロキャンプの様子や愛車(車・バイク)紹介など、あの魂のこもったソロを奏でる和嶋氏とは思えぬ、朴訥なお人柄がつまった大変面白いチャンネルです。
※ 他の車系Youtuberの方の動画に和嶋氏が出演しているものもあります。
今や「世界の」と言っても過言ではない存在となった人間椅子と和嶋慎治氏。
思えば、わたくしが初めて手にした人間椅子のCDは、”イカ天レーベル”から発売されたインディーズアルバムでした。

あの時、若かりし頃の私が人間椅子というバンドに感じた凄さを今、世界の人々が感じている。
そう考えるだけで何とも不思議で感無量な感じが致します。
無論、現在まで進化を続け凄みを増して来た人間椅子。
これからもアッと驚く人間椅子独自の世界を長く長く紡いで行って頂きたいと思います。