気になるギタリスト128回目の今回は、アメリカ南部”サザンロック”の代表的な存在、「クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル」(以下CCR)のフロントマンを務めたボーカル&ギタリスト「ジョン・フォガティ」です。
彼が、後にCCRとなる前身バンドを立ち上げたのが1959年。
CCRとしてのデビューは、それから随分と時を隔てた1968年の事でした。
彼らの紡ぎだす泥臭いブルースロックは、瞬く間に人気となり、多くの人気曲を輩出。
ビルボードチャートを賑わす存在となっていきます。
しかし、それ程の隆盛を誇ったCCRですが、活動期間は僅か4年余り。
逆に言えば、その短いバンド活動の中で、人々の心を掴む楽曲を連発し、今や伝説となる存在へとのし上がっていったのです。
それは何故かと言えば、フロントマンである「ジョン・フォガティ」の圧倒的才能があったからでしょう。
一度聞けば忘れられない程の個性的な歌唱。
ギターのみならず、複数の楽器を操る多才さ。
デビュー当初からCCRの楽曲の作詞・作曲を手掛けていたのも彼でした。
天才「ジョン・フォガティ」の存在により、時代の寵児となったCCRですが、皮肉なことにそれがバンド解散の引き金ともなってしまいます。
CCRはジョン一人の為のバンドではない。
そう感じ始めた他のメンバーとの間に亀裂が生じる事となり、バンド後期にはジョン以外のメンバーによる曲作りも行われる様になっていきます。
しかし、結果は振るわず。
バンドは解散の道へ。
結局、CCRはジョン・フォガティの才能がほぼ全てだったと証明してしまう形となってしまいました。
しかし、CCRが消滅しても、彼には才能がありました。
元より、彼こそがCCRだった訳ですので、ソロ活動という名の”一人CCR”を続けて行く事が可能だったのです。
ですが、ここでもまた、才能の邪魔をする不運が彼を襲います。
レコード会社とのマネージメント問題や金銭問題など、音楽活動を阻む様々な障害。
天才を悩ませる問題は尽きる事がありませんでした。
それでも彼の歌への意欲が完全になくなる事は無く、80歳の見えて来た現在も今だ現役。
世界がコロナ過に見舞われた2020年。
ステイホームを呼びかける為に自身で撮影したライブ映像を公開するなど、今も積極的な音楽活動を続けていらっしゃいます。
ちなみに、動画で歌われているCCRのヒット曲の一つ、「Have You Ever Seen the Rain?」は、サザンオールスターズの「桑田佳祐」氏が「KUWATA BAND」として活動していた時に、カバー曲を制作していたりします。
その曲は、TVCMにもなってお茶の間に流れていた事もありますので、ある程度年齢の行った方であれば、CCRを知らなくとも聞いたことがあるのではないかと思います。
様々な苦難に遭いながらも、半世紀以上名曲を作り続けてきた天才ギタリスト「ジョン・フォガティ」。
まさしく、音楽と共に生き続ける、生きる伝説といえる人物であると思います。