エレキギターを立って演奏する場合、必要になるのがギターストラップです。
様々なデザインや素材のものが出回っていますが、選択の仕方はギタリストによって千差万別だと思います。
ビジュアル的な面だけで選んでも良し、滑りにくい素材で選ぶのも良し。
立って演奏する場合にギターの弾きやすさにも関係してくるアクセサリーですので、是非とも自分好みの一本を選択したいところです。
ギターストラップに関してもう一つ気になるポイントがあります。
それは、ギターストラップの長さ(ギターを構える高さ)です。
普通ギターストラップは、その長さを調性出来る様になっています。
体格の個人差をカバーする意味もありますが、各々が演奏しやすい高さにギターを下げられるようにする為です。
このギターを構える高さは、ギタリストの個性を発揮させる部分でもあったりするのは周知の通り。
座って練習する事も多いと思われるエレキギターですから、座って足の上にギターを置いた状態、その高さを立った状態でも再現出来る様にストラップの長さを決めるのがセオリーなのかもしれません。
座って練習する時と立って演奏する時、どちらの場合も同じようなギターの高さであれば、演奏技術的な面で一番混乱が少ないと思われます。
この座ってギターを構えた状態と立ってギターを構えた状態が同じ位になるストラップの長さを一応のセオリー/基準点と仮定して、ギターを構える高さ/ストラップの長さを考えてみましょう。
セオリー通りのギターの高さを利用しているギタリストには、技巧派と呼ばれる方々が多く含まれている印象です。
イングヴェイ・マルムスティーンの様な早弾きギタリストにも多く見られます。

基礎的なピッキングのし易さ、肘を支点とするピッキングの活用、ハイフレット部分での演奏のし易さ、早いフレーズを弾く際の左手の負担をなるべく増やさない等の理由で、必然的にセオリー通りのギターの高さになっていると思われます。
セオリーよりもギターを高く構えて居るギタリストも当然いらっしゃいます。
つい先日亡くなられました、日本ギター界の大物「田端義夫」氏。

ギターを高く構えるギタリストの代表各の様なお方ですね。
非常に個性的なビジュアルになっています。圧倒的なストラップの短さです。
ここまでギターを高い位置に構えると逆に演奏し辛いのではないかと思いますが、そこには大ベテランの辿りついた境地があるのかもしれません。
逆に、セオリーよりもギターを低く構えて居るギタリストも沢山存在します。
古くは、「Led Zeppelin」のギタリスト、
ジミー・ペイジがギターを低く構えるタイプのギタリストでした。

ギターを低く構えると言ってもどの程度かと判り難いと思います。
通常、座ってギターを弾く場合、足の上にボディを乗せて弾くはずです。
これを、正座をしギターを体の横に構えるようにしてみます。ボディは床につけた状態です。
こうしてみると、ギターを低く構えた状態になるはずです。
ギターを腰で構えるなんて言い方がありますが、こうすると丁度その位になると思います。
そして、この高さがギターを低く構える際のある意味分水嶺になります。
この高さより上になれば、セオリーに近づいていくので特に問題はありません。
問題は、これより低く構えるという事です。
世の中広いもので、かなり低い位置にギターを下げているギタリストも居るものです。
ヴィジュアル系ギタリストの中には、ボディ底面がひざに届くのではないかと言う位、ギターを低く構えて居るギタリストも珍しくありません。
腰に構える高さが何故分水嶺かと申しますと、これより低くギターを構えて演奏するには、特殊な修練/特殊技能とも呼べる弾き方が必要になってくるからです。
腰で構える位であれば、ハイフレットの演奏は当然辛くなりますが、一弦ブリッジミュートもギリギリ出来ますし、左手の運指に関してもネックを立てて演奏するなどの工夫で何とかなります。
しかし、これよりギターを低く構えれば、高音弦のブリッジミュートなんて出来はしません。ハイフレット演奏も無理です。
それでもハイフレット演奏をしようとネックを握りこむのを止め、親指を他の指とそろえてハイフレット演奏をしている方もいらっしゃいますが、これはもう特殊技能の類です。
ピッキングに関しても問題は出てきます。
肘の活用はほぼ出来なくなって行きます。その分肩を巧みに動かしピッキングしているギタリストも居ますがこれもまた特殊技能レベルです。
では何故ここまでしてギターを低く構えるのか?利点は?
利点・・・そんなもの有りはしません。何故?きっとロックだからでしょう。
ビジュアルイメージ。美学。そんな感じで追い求めたギタリスト像が極低位置にギターを構えるという姿なのでしょうね。
誰もが同じようなギタリストでは面白くありませんから、個人的には嫌いじゃありません。自分でやろうとは思いませんけれども。
ついでに言うならば、同じギタリストでも活動期間が長くなれば、ストラップの長さが変わってくる場合もあります。
極端な例では、曲毎に違う長さのストラップを使っているギタリストもいらっしゃいます。
更には、構えた時に高く見えるギター、低く見えるギターも有ります。
レスポールの様なボディ上部が小さいギターは、構えたときギターが低い位置に有るように見えます。
逆に、ストラトキャスターの様なダブルカッタウェイの張り出したボディ上部が大きいギターは、構えた時にギターが高い位置に有るように見えます。
演奏のし易さとビジュアルイメージ。上手くバランスのとれた丁度良いストラップの長さを模索するのもギターの楽しみの一つなのではないでしょうか。

Fender USA / 0681-201 モノグラム ギター ストラップ

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