気になるギタリスト20回目は、頭にケンタッキーフライドチキンのバケツ、顔には白塗りの仮面という異様な風体で突如現われたスーパーギタリスト、「バケッドヘッド」です。

子供が泣き出してしまいそうな異様な姿からイロモノか?と思いきや、その実力たるや名だたるプロのギタリストも驚くスーパーテクニックを持ったギタリストです。

1992年「Bucketheadland」というアルバムを引っさげてロックシーンに登場したバケッドヘッド。
その容姿のインパクトから試しに聞いてみたという人間は、アルバム全編に亘る超高速の早弾きや多彩なテクニックに良い意味で予想を裏切られた事でしょう。
漫画家、横山光輝氏原作のSFロボット作品「ジャイアントロボ」。
その特撮ドラマの音声や効果音をサンプリングし大胆にも楽曲に取り入れたスタイルは、なんとも不思議なバケッドヘッドワールドを創り出しています。
デビュー当時、其の正体は全く謎とされていたこともあり、バケッドヘッドの正体は実の所有名なギタリストなんじゃないのか?と噂が飛び交う事となりました。
長身、細身の容姿、早弾き、テクニック、それらを総合して、人気バンド「Mr・BIG」のギタリスト「ポール・ギルバード」がその正体なのではないか?と囁かれたりもしました。
それほど、無名のギタリストにしては完成された演奏技術を持っていたということですね。

その後も、アルバム「Monsters & Robots」等、彼の特撮好きを窺わせる様な独自路線の作品を次々と発表するバケッドヘッドですが、突如2000年、超有名バンド「ガンズ・アンド・ローゼズ」のギタリストとして加入する事が発表されます。
当時を振り返ると、ギタリストとしての実力は申し分無いにせよ、バケツ仮面と「ガンズ・アンド・ローゼズ」のイメージがあまりにかけ離れていた事もあり、冗談としか思えなかった記憶があります。
一方で、「ガンズ・アンド・ローゼズ」加入に際し、いよいよそのバケツや仮面を脱ぎ去りステージに上がるのか?と少なからずも期待したものでした。
しかし、「ガンズ・アンド・ローゼズ」のメンバーとしてステージに上がった彼は相変わらずのバケッドヘッドでした。
良く考えてみれば、バケッドヘッドからバケツと仮面を取ってしまったら、最早バケッドヘッドではありませんものね。「ガンズ・アンド・ローゼズ」に加入したギタリストは「バケッドヘッド」なのですから、当然と言えば当然です。
音楽性やギタリストとしての腕はともかくとして、この当時の「ガンズ・アンド・ローゼズ」のステージ映像を見ると、そのアンバランスさからか何やら笑いがこみ上げてきます。
超有名バンドに加入しようがなんだろうが、バケッドヘッドであり続ける姿勢はお見事です。
2004年には、残念ながらと言うかやっぱりと言うか同バンドを脱退。
その後も独自路線、変態ギターとも呼べるテクニックに磨きをかけアルバムを発表し続けています。
彼のギターに関して良く話題に挙がるのが、キルスイッチを装着したバケッドヘッドのギタープレイ。
キルスイッチといっても色々ですが、単純に言えば押している間は音が出なくなるボタンです。
似たような効果を求めるのに、レスポールのスイッチング奏法などもありますが、バケッドヘッドの場合はシンプルにキルスイッチボタンをギターに搭載しそのフィンガリングテクニックとあわせて非常に面白い演奏をして見せます。
変態ギターと呼ばれる独特なパフォーマンスは見ているだけで飽きません。
曲芸の様なギタリストが何でも良いとは思いませんが、其の中でもバケッドヘッドは非常に魅力溢れるプレイヤーだと思います。

electro-harmonix / H.O.G.2

石橋楽器店
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