次に、このコード進行の「自然な流れ」について考えてみましょう。
これは、ある程度理屈抜きで自然か不自然かを決めてしまっても良いのですが、では自然な流れとはどういう事なのでしょうか?
コードの性質から、トニックからドミナントやサブドミナントへの移行は聞き手が期待している(予想している)通りの流れであり、自然な流れと言えます。
期待を裏切る進行と言われているドミナントからサブドミナントへの移行は、聞き手の期待を裏切るわけですからある意味不自然な流れであると言えるでしょう。
それ以外のポイントとしては、あまりに音程(または構成音)の離れたコードへの移行。これは不自然な流れと言えます。
ロックのフレーズなどで急激な音程変化のコード進行が見られる場合もありますが、オクターブ間での変化であったり、フレーズを印象付ける為にあえて使われているような場合だと思います。
バラード調の曲などでは、急激な音程変化のあるコード進行は避けられると思います。
逆に言えば、近い音程変化(構成音変化)のコード進行は自然な流れと言えます。

例えば、CからAm(第一転回形)というコード進行を見てみると、両コードの構成音の内C音とE音は共通であり、G音がA音へと一音変化しただけの進行だと言う事が分かります。
つまり、CからAm(第一転回形)へのコード進行は、穏やかな変化で繋がりの良い「自然な流れ」であると言う事が出来ます。
穏やかな変化は「弱い進行」と考える事も出来ます。
コード進行のを考える上でこの進行の強弱も考慮する点の一つです。
ギター演奏ではコードネームに触れる機会が多いと思います。
CメジャーからAマイナーへなど、コードネーム(コードのルート)が主体で考える場面が多く、これはコードのルート音で流れを捉えるルートモーションと呼ばれる考え方の一種です。
一方で、アンサンブル全体を見て、ボトム(最低音)の動きで進行の強弱を計る場合もあります。
ボトムモーションと呼ばれる考え方です。
ボトムの動き(進行)でもおおよその強弱があり、アンサンブル全体でなくとも、コードの和音構成やコード進行を考える上で役に立ちます。
先ほどのCからAm(第一転回形)と言うコード進行のボトムを見てみると、C音→C音と変化していない為、弱い進行であると言えます。
もっとも強いボトム進行はというと、完全五度下への移行かもしくは完全四度上への移行です。

ハ長調で例をあげるならば、ドミナントコードG(7)からトニックコードCへの移行(共に転回なしの基本形)が完全五度下へのボトム移行になります。
サブドミナントコードDmからドミナントコードGへの移行(これも基本形)が完全四度上へのボトム移行です。
しかし、和音の転回形によってはボトムは変化しますので、例えば、Dマイナー(第一転回形/F・A・D)からGメジャー(基本形/G・B・D)ですと、ボトムの動きとしてはF→Gと長二度上への変化になります。
さらにボトム進行の強い順に見ていくと、

短二度下への移行、次いで長二度上への移行。

完全四度下への移行(完全五度上への移行)、長二度下への移行と続きます。
ボトム進行の強い順に、完全四度上(完全五度下)>短二度下>長二度上>完全四度下(完全五度上)>長二度下>短二度上>長三度・・・・・と続きます。
バンドアンサンブルの場合、大抵ベースギターがボトム(最低音)を演奏する形になっていると思いますが、ギター単体でコード進行を考える場合にも、こうしたボトムモーションの考え方が参考になると思います。
同じコードでも、転回や構成音を変える(コードフォームを変える)ことでより繋がりの良い、気持ち良い流れのコード進行を考える手助けになるはずです。
ボトムモーションを意識してコード進行を考えた場合、以前取り上げた
分数コードが活躍する場面が増えるかもしれません。

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