ギターを弾く上で知っておくとお得な楽典その11。
ここまで、
コードの種類やトニックやドミナントなどの
コードの性質について見てきました。
今度はそれらを踏まえて、実際のコード進行を考えて行こうと言うお話です。
音楽には文章表現と似た部分があります。
文章では読み手が主題を理解し易い様に句読点が使われるわけですが、音楽ではその代わりとしてコードの性質を利用し抑揚を付けたり、終止(ケーデンス/カデンツ)させる事になります。

基本的なケーデンスは上の三種類。
D→Tと言う
ドミナントモーションが起きる進行の場合は強い終止感が得られ、文章で言う所の句点の様な役割を持ちます。
それに比べ、S→Tと言う進行は弱い終止感と捉える事が出来、読点の様な役割だと考えると分かり易いでしょう。
ケーデンス(終止形)と言っても其の強さには違いがあるという事が重要です。
加えて、こういったケーデンスが必ずしも拍子や小節と合致しているとも限りません。
一つの小節内でS→D→Tと完結している事もあれば、数小節に亘って結果S→D→Tとなっている場合もあります。
コードチェンジのタイミングに決まりはありません。おかしくなければ良いのです。
このケーデンスをハ長調で考えると、T→D→Tと言うコード進行は、C→G7→C(Ⅰ→Ⅴ→Ⅰ)。
T→S→Tならば、C→F→C(Ⅰ→Ⅳ→Ⅰ)となります。
※
ダイアトニックコードの記事を合わせて見ていただくとよりわかり易いと思います。
サブドミナントマイナーを含んだケーデンスを合わせて表記しましたが、これもよく見られるコード進行/ケーデンスです。
”サブドミナント”マイナーですから、その終止感は弱い部類に入ります。
ハ長調で考えるならば、T→SM→Tは、C→Fm→C(Ⅰ→Ⅳm→Ⅰ)となります。
ハ長調ダイアトニックコードで考えるならば、Fmはダイアトニックコード外(ノンダイアトニックコード)ですが、これを使ってはいけないルールはありません。
代理コードや裏コードなどと同じく、メロディーと協和しコードの性質が流れを乱さなければ利用可能です。
それでは、現代音楽でよく出てくるパターンを一つ見てみましょう。

トニックから始まり、SD→D→Tというケーデンスをハ長調で考えたコード進行が上記図です。
T→SDと進む部分、すんなり行くならC→Fですが、この場合サブドミナントF(Ⅳ)の代わりに代理コードDm(Ⅱm)が使われています。
そこからG7へ進みCへドミナントモーションを起こす流れで終止感を出したコード進行です。
サブドミナントの代理コードⅡを使ったⅡ→Ⅴ→Ⅰという流れはポピュラーなコード進行と言え、色々な楽曲で利用されている形です。
覚えておくとコード進行を考える際に便利だと思います。
このように、基本的なケーデンス三種を織り交ぜながらコード進行は考えられます。
しかし、それだけでは単調な伴奏/コード進行ばかりになってしまいますので、代理コードや裏コード、ノンダイアトニックコードを組み合わせながら組み立てて行きます。
3コードロックンロールでも十分カッコ良いかもしれませんが、楽曲にちょっとしたスパイスが欲しい時にはこうした彩の与え方を考えてみても良いと思います。

Gretsch / Electromatic Jet Club G5426

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