知っていると、少しだけためになるかもしれない小技。
今回は、ギター演奏におけるストレッチの重要性についてです。
ギター演奏においてストレッチと聞くと、指を大きく開いて幅広いフレット間を押さえたりするワイドストレッチが思い浮かぶかと思いますが、今回のストレッチという題目は、ギター演奏全般における手指(体)の柔軟性を指します。
先ず、基本的な人体の運動動作(筋や腱の動作)を再確認してみましょう。
何等かの運動をする為には筋力が必要不可欠であり、この筋力を産み出す筋肉には硬さがあると言う事。
柔軟性の乏しい硬い筋肉では、大きな力(スピード)を発揮するのにロスが発生し易く、故障し易い面がある事。
これをギター演奏に当てはめて考えてみると、左手指に十分な押弦力(瞬間的に抑える力と持久力)があっても、柔軟性に乏しい場合、疲労し易く、本来持っている筋力を発揮出来ない→押弦ミスという事が起こり易くなると考えられます。
運指練習やピッキング動作のパワーアップを図って来たにもかかわらず、実は本来の力を発揮出来ていないという状態です。
短い曲やフレーズであれば上手く弾けるのに、長いフレーズや長い曲の後半になるほどあやしげな演奏になってしまう・・・という場合も基礎的な筋力が足りているのならば、ストレッチ不足による疲労し易さが問題な場合もあります。
こうして考えると、上手なギター演奏の為には手指の柔軟性が如何に大事かが分かりますが、では実際にどうやって柔軟性を高めたら良いのでしょう?
やはり、ギター演奏に必要な筋力を養うのと同様、ギター演奏をしながらのストレッチという方法が一番わかり易い近道であると思います。
例えば、何気ないスケール練習において、意識するだけでストレッチは可能です。
普段、スケール練習をする際には、上手にスムーズに演奏する事ばかりに目が向きがちだと思います。
しかし、長い間同じスケール練習をしていると、実は(ストレッチ的に)楽に弾いているという状態になっているかもしれません。
カントリーグリップでもクラシックスタイルでも、こうするべきという正しい運指フォームがあるのはご存知の通り。
ところが実際に正しいフォームで演奏し切ろうとすると、ストレッチ的にきつい場面にも出くわす物だと思います。
ここで、スムーズな演奏の為に少しフォームを崩して演奏してしまったりするのが常であると感じます。
しかし、あえて正しい運指フォームを意識し、ストレッチ的にきついなと感じた状態で正しく演奏出来るよう練習すると効果があると思います。
初めはきつかった正しい運指フォーム/運指運動でも、柔軟性が増す事により段々と弾ける様になるはずです。
同時にこれは、押弦パワーアップにも役立つ練習です。
たかがスケール練習、されどスケール練習。意識次第で非常に奥深いものです。
ワイドストレッチを意識的にしてみるのも良い練習です。
実際に弾かなくとも、ゆっくり大きく指を広げ、フレットを押さえようと動作させるだけで効果があります。
右手ピッキング動作に関しても同様です。
よくよく動作を確認してみると、柔軟性不足によって感じたきつさをピッキングをこねくり回すように回避している事があるかもしれません。
この場合も、ゆっくりと正しい動作を意識し練習する事で柔軟性向上が可能であると思います。
ストレッチ/柔軟体操と聞くと、勢いをつけて行うようなイメージもありますが、ゆっくりした動作で筋肉を伸ばす「静的ストレッチ」も効果的だと聞きます。
早いテンポで練習するだけでなく、ゆっくりと動作を確認しながらストレッチを意識した練習も効果的なギター上達法であると思います。
しかし、ストレッチ運動は怪我をしている際には逆効果ですので、くれぐれも無理をなさらない様、注意して行って下さい。

BOSS / ME-25 マルチエフェクター

石橋楽器店
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