ギターを弾く上で知っておくとお得な楽典その18。
ここまで、教会旋法の各モードの成り立ちや、長調系・短調系の分類などを見てきました。
一旦ここで、それら各モードをまとめておきたいと思います。
ハ長調のCから始まればC Ionian、Dから始まればD Dorianという理屈はご理解頂けたかと思いますが、譜面ではドレミファソラシドのスタート地点が変わるだけで、いまいち各モードの差というものが見え難いと思います。
なので、各モードをそれぞれCからスタートし、C Ionian、C Dorian、C Phrygian~という風に表記し、ハ長調音階(Cメジャースケール)=C Ionianと各モードにどんな違いが生まれるのかを見て行きたいと思います。
先ずは、長調系に分類されるモードから。

長調音階(メジャースケール)の一音目からスタートすればIonianですから、C IonianモードはCメジャースケールと全く同じです。
次に、Cメジャースケールの四番目の音(F)からスタートすれば(FGABCDEF)、F Lydianモードですから、これをC Lydianモードに直すと・・・

上記図の様になります。
赤い丸で囲った音がモードの特徴音です。
この場合、F♯(G♭)音が特徴音で、この音列をLydianモード足らしめている重要な音という事になります。
Cメジャースケールと比較してみると、この特徴音だけ違う音階と見ることも出来ます。
同様に、Cメジャースケールの五番目の音(G)からスタートした(GABCDEFG)、G Mixo-lydianモードをC Mixo-lydianに変換します。

特徴音はA♯(B♭)で、これもまたCメジャースケールと特徴音だけ違います。
残るは、短調系四種。
Cメジャースケールの第六音からスタートすれば、Aナチュラルマイナースケール(ABCDEFGA)ですので、これは同時にA Aeorianという事になります。

C ナチュラルマイナースケールに直したものが上記です。
Cナチュラルマイナースケール=C Aeorianです。
これは完全にナチュラルマイナースケールと同じ音列ですので、特徴音はありません。
Cメジャースケールの二番目の音(D)からスタート、D Dorian。

C Dorianに直すと、特徴音はAです。
Cナチュラルマイナースケールと比較すると、これまたこの特徴音だけが違うという事になります。
Cメジャースケールの三番目の音(E)からスタート、E Phrygian。

C Phrygianとすると、特徴音はC♯(D♭)です。
これも、Cナチュラルマイナースケールと特徴音だけ1音の変化です。
最後は、Cメジャースケールの七番目の音(B)からスタート、B Locrian。

C Locrianとしてみると、特徴音はF♯(G♭)です。
Cナチュラルマイナースケールと比較してみると、特徴音であるF♯(G♭)に加え、C♯(D♭)の二音が違う事になります。
一つ前のC Phrygianから更に特徴音、1音の変化を持った形と考える事も出来ます。
こうして見ると、メジャースケールの出発点が変わっただけの教会旋法の各モードが、各々そのモード足るべき特徴音を持ち、通常の音階と微妙な差を持っている事がお分かり頂けたかと思います。
各モードは、メジャースケール(ナチュラルマイナースケール)から一音変化した形であり(Locrianのみ二音変化)、比較的覚え易い物だと思います。
ギター指板上のドレミファソラシドから、それぞれ一音変化した形を頭に叩き込んで、丸覚えしてしまっても良いでしょう。
また実際に弾いてみる事で、長調系・短調系各モードの特徴音と聞こえ方の変化などを体感してみるのも面白いと思います。

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