アンプシミュレイターPODシリーズで有名なLINE6。

LINE6 / POCKET POD
1996年、アンプ製作から始まった同ブランドは、卓越したモデリング技術を駆使し、デジタル化が進む音楽機材業界を代表するブランドともなりました。
デジタルモデリングを得意とするLINE6ですから、アンプシミュレイターやエフェクター、ギターインターフェースと言った製品が良く知られている訳ですが、エレキギターやベースギターなども製作しています。
売価10万円を超える価格。意外と高級なLINE6ブランドのギターは、Made in USA。
「Made in USA」などと聞くと、だから意外と高価なんだ?と短絡的に考えてしまいそうにもなりますが、実はこのLINE6ブランドのギターは一般的なエレキギターとは一線を画す、未来的な機能を持ち合わせた次世代エレキギターとも呼べる代物なのです。


LINE6 / JTV-89 James Tyler Variax
マホガニーボディ、スリーピースメイプルネック。
ナットには、Graph Tech Black TUSQ。
オリジナルデザインのピックアップに、これまたオリジナルのストップ・テイル・ブリッジ。
ピエゾ方式のピックアップも内蔵しています。
これだけの、高級素材/パーツと精密な加工。
売価が高くなるのも仕方がないと考えますが、LINE6のギターの真価は別の所にあります。
このタイプのギターには珍しい、何故か搭載されているピエゾ方式のピックアップ。これが一つのポイントです。

LINE6 / JTV-69-CAR/JTV-69 James Tyler Variax
コントロール部を見てみると、なにやら良く分からないスイッチが配備されています。
これがLINE6製ギターの革新的な機能を象徴する部分。Line6 Variaxテクノロジーによるモデリングギターである証です。
モデリングアンプならぬ、モデリングギター。
この名の通り、この一本のギターで往年のテレキャスターやレスポール、ストラトキャスター等の多彩なトーンを発音する事が可能なのです。
方法論としては、ギターの発音振動をピエゾピックアップでキャッチ、コンバーターを介しデジタル化した上でモデリング回路を通し様々なギターサウンドとして発音するという素人が聞いても良く分からない仕組みで鳴るものだそうです。
驚くべきなのは、そうした処理をほぼ遅延無く行えるという事でしょう。
昔のMIDIピックアップなどは、ピックアップレスポンスの悪さや信号遅延なんてものが一つの大きな問題点でした。
それが今や、ほぼリアルタイムで高品位なモデリングサウンドを発音可能だと言うのですから驚きです。
こうした、モデリング技術の応用は、音色だけに留まりません。
バーチャル・カポなどと呼ばれる、オルタネート・チューニング機能も持ち合わせています。
平たく言えば、ギターの生音は変えず、出音だけ音程変化させる機能です。
これにより、スイッチ一つで様々な変則チューニングに即時対応可能と言うわけです。
レギュラーチューニング状態のギターを、スイッチ一つで出音はオープンGチューニングに・・・なんて事が出来てしまうのです。
以前、ご紹介した
GIBSONロボットギター。
これが物理的な自動チューニング機構であるのに対し、Line6 Variaxテクノロジーは、デジタル的に音程を変化させる方法だという事ですね。
自動でチューニングペグが動く様にも驚きますが、デジタル技術を駆使し音程を思うがままに変化させてしまうという方法論、其の実現にも驚きます。
エレクトリックギターという楽器自体、レトロな構造で物理的な物というイメージでありますが、デジタル技術の進歩はそんなエレクトリックギターの概念を根本から変えてしまう所まで来ているのかもしれませんね。

LINE6 / JTV-59 James Tyler Variax

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