ギターを弾く上で知っておくとお得な楽典その25。
今回もドミナントモーション時に使えるスケールの続きです。
今回は、更に少し特殊なスケール。ディミニッシュスケールから、ドミナントモーション時に使えるスケールを見ていきます。

上記図は、Combination of Diminish(=Com Dimi)と呼ばれるスケールです。
第一音から、半音→全音→半音→全音~という音程関係によって構成されている音階です。
普通のスケールでは、一オクターブの間には7音ですが、Com Dimiの場合8音構成の音階になります。
Com Dimi上に構成されるダイアトニックコードはすべてdim7コードになりますので、ディミニッシュコードが鳴っている場面で使用可能なスケールでもあります。
前回までと同様、ドミナントモーションの流れで”E7”コード上に利用すると考えて、E7コードとE Com Dimiスケールとを比較してみましょう。

E7のコードトーンを赤丸で囲んでみると、全てのコードトーンがCom Dimiスケールに含まれている事が分かります。
残りの4音。F・G・A♯・C♯は、それぞれ♭9th・♯9th・♯11th・13thテンションとして働きますので、AVOIDノートはありません。
ちなみに、Combination of Diminishスケールの第二音からスタートすると、C♯ Diminishというスケールになります。
Com Dimiの第二音スタートという事は、今度は全音→半音→全音~という順序の違う配列になるという事です。

C Diminishスケールに直してみると上記図のようになります。
Diminishスケールもスケール上に構成されるダイアトニックコードのすべてがdim7コードになりますので、ディミニッシュコードが鳴っている場面で利用できるのは、Com Dimiスケールと同じです。
では、DiminishスケールもCom Dimiスケール同様、ドミナントモーション時に使えるスケールという事なのでしょうか?
C Diminishスケールを先ほど同様”E”Diminishスケールに直し、E7コードと比較してみます。

すると、ドミナントモーションの鍵と言うべき、3rdと7thのトライトーン(三全音)関係の音程がE Diminishスケールには含まれていません。
つまりは、Diminishスケールは”ドミナントモーション時に使えるスケールではない”という事になります。
”Diminish”スケールと”Combination of Diminish”スケール。
似たようなものに感じますが、その用途には違いがあるという事ですね。
- 関連記事
-