普通、シングルコイルピックアップといえばFENDER系。ダブルコイル(ハムバッカー)ピックアップといえばGIBSON系のギターを思い浮かべる方が多いかと思われます。
しかし、どちらのメーカーも、シングルコイルもしくはダブルコイルに拘り続けているか?というとそうでも無く、ダブルコイルの搭載されたFENDERギターもあれば、シングルコイルの搭載されたGIBSONのギターもある訳です。
あくまで、FENDERサイズなどと呼ばれる一般的なサイズのシングルコイルが有名なFENDER社は、シングルコイルのイメージが強く、PAF等のダブルコイルの規格を作ったGIBSON社がダブルコイルのイメージが強いだけかもしれません。
ある意味、定番とされている規格(サイズや仕様)を産み出した事による印象が強いだけだと言えるのかもしれませんね。
事実、GIBSON=ダブルコイルという印象を覆す様な名シングルコイルピックアップをGIBSON社は開発しています。
P-90と呼ばれるピックアップです。

Gibson / Les Paul Melody Maker 2014
今や定番となったP-90は、P-90タイプというような模倣品が作られたり、その規格に合わせた有名各社のリプレイスメントパーツが販売されるなど、FENDERサイズのシングルコイルと並んでシングルコイルの代表的規格の一つとなっています。
見た目には、FENDERサイズのシングルコイルピックアップよりも大型。

DiMarzio / DP167S Soapbar DP167D Soapbar dog-ear
取り付け用の脚が付いたドッグイヤー型とそれを持たないソープバー型に分類出来ます。
本体の大きさを活かしコイルターンは多め。パワーが強い反面ハウリングを起こし易いと言った特徴があります。
音質的には、シングルコイルの歯切れのよさを持ちながらも、一般的なシングルコイルに比べ太くマイルドな印象です。
P-90のこうした特性を好む熱狂的なファンも多く、現代においてもシングルコイルピックアップ、定番の一つとして定着しています。
見た目のよく似たピックアップにGibson社のP-100というものがありますが、こちらはP-90を縦に積み重ねた様なスタック構造で、シングルコイルではなくダブルコイルピックアップです。

【中古】 Gibson / P-100R
表向きP-90とP-100は似ていますが、スタック構造のP-100は本体に厚みがあります。
ダブルコイルのP-100は、シングルコイルであるP-90のノイズの多さを改善しようと開発されたと思われますが、ダブルコイル化することで当然双方の音色傾向は全く違うものになり、結果P-90を愛好するギタリストから酷評を受ける事となってしまいました。
従来のP-90と比較され人気になりえなかったP-100ですが、ダブルコイルの新規格という見方をすれば、それ程悪いピックアップではないという声も後々聞かれるようになりました。
ちなみにGIBSON社では、通常のダブルコイルピックアップのサイズでP-90構造のシングルコイルピックアップ、P-94という製品も開発しています。

幾つかのリプレイスメントパーツメーカーでも、ハムバッカーサイズのP-90という製品を作っていますね。
歴史的名ピックアップP-90。
少々マニアックな印象もあるかとは思いますが、実に味のある良い音を聞かせてくれます。
今まで興味の無かった方も、是非一度楽器店などで触れてみて頂きたい名品です。

Epiphone / Limited Edition Les Paul Special-I P90

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