知っていると、少しだけためになるかもしれない小技。
突然ですが、STYLUS PICKなるピックをご存知でしょうか?。

私も一つ持っているこのちょっと特殊なピック。20年以上前に買った品だと思います。
特殊な形状からお分かり頂ける様に、主に単音弾き修練の為のピックであります。コードストロークを練習するような製品ではありません。
このSTYLUS PICK。弦を弾くべきピックの先端が三角錐の形状になっております。
さらに、その三角錐の根元には、微妙な出っ張りが設けられております。

先端の小さな三角錐部分よりも深くピックを弦に当てピッキングしてしまうと、そのでっぱりが返しの役割となりピッキングを阻害して(止めて)しまうように設計されているのです。
つまり、如何なる時も先端の三角錐部分、極小さな面積でピッキングする必要があり、結果ピックを深く当てすぎないでピッキング出来る様になるという、ピッキング動作矯正ピックであります。
ピッキング動作の精度を高め、ピックの先端で細かくしっかりとピッキングする技術を得られる。そんな触れ込みで売られていたものです。(昔に比べあまり見かけなくなりましたが、現在でも販売されているようです。)

さて、肝心の効果の程ですが、20年以上前に買ったものが何故いまだ手元にあるのか?それが一つの答えであります。
先ず、20年前の私の技量では、まともに演奏するどころかほぼ扱えませんでした。
一音、二音弾けば引っかかる。また一音、二音弾けば引っかかる。延々とそれの繰り返し。
当時、今よりも練習の創意工夫が足りなかった私には、何をどう攻略して良いものかすら見いだせない状態でした。
そして、自然とSTYLUS PICKは、ピックケースの端っこに忘れ去られる存在に。
現在はと言いますと、しっかり弾けるか?ピッキングフォームがおかしくなっていないかを確認する為に、偶にひっぱり出してきては使ってみる、そんな役目のピックになっています。
長い間忘れ去られ、今は偶に使うだけの物なので、20年前のピックにもかかわらず現役という物なのです。
ピックを深く当てすぎない。ピッキングの精度を上げる。そういった動作矯正目的では全く役に立たなかった(扱えなかった)STYLUS PICK。
もちろん、私の練習の仕方が悪かった、使い様が間違っていたとも考えられる品ですが、このSTYLUS PICKの存在が私にある練習法を思いつかせる切っ掛けともなりました。
それは、使い古したピックの活用です。

どんな内容を通算何時間弾いたかまでは覚えていませんのであまり有効な情報ではありませんが、写真左のピックは五ヵ月程使い込んだ状態の物です。(右は比較の為の同品新品)
使い込んだ方のピック先端は、最初から丸く成形されている部分よりやや尖っている程度。本来ならば疾うの昔に捨ててしまっても良い状態の物です。
何故こんな物を使い続けるのか。
そう、返しの無いSTYLUS PICKだと考えた訳です。
ここまで先端が削れてしまうと、当然ピッキングし辛くなります。
正確にピッキング出来なければ、まともに鳴りはしません。
嫌でも、ピックアングルや弦のはじき方と言う部分に意識が向きます。
おまけに、角度の無くなった先端は、ピックを当てる深さを限定します。一定の深さでなければ、空振りをしてしまいます。
そうなってくると、自然と正しい手首の振り・ピックの動かし方を意識せざるを得ない状態になります。
これで、スケール練習やフレーズ練習に挑むのです。
なんとも馬鹿馬鹿しい方法だと思われてしまうでありましょうが、効果は有ったと思います。
事実、昔全く扱えなかったSTYLUS PICKが随分扱える物へと変わりました。
もちろん、使い古したピックを使う練習法が全てだったとは言えませんが、ピッキングの精度を上げる練習に一役買ってくれたのは事実です。
「ピックの先端を安定して当てる」という精度を要するピッキングがピッキングの全てではありませんが、時と場合により上手にピッキングコントロールが出来るに越した事はありません。
しっかりと細かくピッキングするのが苦手と言う方。使い古したピックを直ぐに捨ててしまうのではなく、一度挑戦してみては如何でしょうか?

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