ギターを弾く上で知っておくとお得な楽典その35。
前回から引き続き、和音機能・代理コードのお話。
今回は短調の場合です。
前回Cメジャースケールと比較し差が分かりやすい様に、ダイアトニックコードの構成が同じ、Aナチュラルマイナースケールを例に見てみましょう。

先ずは短調トニックの代理。

前回、長調の時と同じように2音の共通音として考えてみると、トニックAマイナーコードと共通音を持った似た響きの和音は、Cメジャーコードという事になります。
同様に2音の共通音を持つコードとして、Fメジャーコードも考えられますが、ここは一旦保留。
何故かというと、次にあげる”サブドミナントマイナーと代理コード”を見るとお分かり頂けるかと思います。
短調ダイアトニックコードのⅣは、サブドミナントマイナーとして扱われます。
イ短調、Aナチュラルマイナーとして考えると、Dマイナーコードがそれにあたります。

サブドミナントマイナーがサブドミナントマイナーたる特徴は?と考えると、コードの3度音(F音)がコードの性質を決定づけていると考えられます。
ルートA音から見ると減六度という関係になるF音。
つまりは、このF音を含むコードは、サブドミナントマイナーの代理として成立するという事となります。
Aマイナーコードと2音の共通音を持つFメジャーコードをトニックの代理としなかったのは、これが理由。サブドミナントマイナーとしての機能を持っているからです。

こうして考えると、サブドミナントマイナーの代理コードは、Bm(-5)、Fとなります。
更に四和音として考えるならば、G7も含まれる事となります。
Cメジャースケールと自然短音階Aマイナースケール。
そこから構成されるダイアトニックコードは、並びが変わっただけで同じ構成なのにも関わらず、その機能に違いが産まれるのはちょっと不思議な感じもしますが、基本的に基準点(ルート/トニックコード)から見たコードとの関係がポイントとなります。
これまで見て来ましたように、複数のコード機能を併せ持ったコードが存在したりもするのですが、何故その機能を有するのか(似た響きのコード同士、特徴音やトライトーン等)という点に注目すると、該当コードの機能が見えてくると思います。
更には、ダイアトニックコードに含まれないコードも機能的に利用出来る場合も発見出来るかと思います。(ハ長調に於けるドミナントとしてのD♭7等)
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