気になるギタリスト51回目。今回は日本人ギタリストです。
1987年メジャーデビュー。
現在まで一切のメンバーチェンジを行わず今だ現役で活動する日本のロックバンド「BUCK-TICK」のギタリスト「今井寿(ひさし)」氏です。

デビュー当時は、メンバー全員が長い髪を逆立てた姿。まさに爆竹が破裂したかのような衝撃のヴィジュアルでロックシーンに登場した「BUCK-TICK」。
1980年代後半、そんな破天荒な姿のメンバー達がテレビに映し出されるのもまた衝撃的でした。
今思えば、そうしたテレビ出演の度に髪を逆立てていたのだと考えると、さぞかしご苦労な事であったに違いないと思います。
ちなみに、現在ではドラムスの「ヤガミトール」氏のみが髪を逆立て続けており、他のメンバーは止めてしまっております。
今や大ベテランと言っても差支えない大物バンドとなった「BUCK-TICK」。その後活躍は皆さまご存知の通り。
デビューから2年目には、ロックアーティストの聖地として知られる武道館公演を成功させました。
ヒット曲を量産し続けながら、代表曲はCM等にも採用され、大人気バンドとして活躍を続けて行きます。

そんな「BUCK-TICK」の多くの曲作りを手掛けて来たのがギタリスト「今井寿」氏です。
バンド初期には多くの作品で作詞も手掛ける等、マルチな才能を発揮しています。
多くのギタリスト・アーティストが往年のロックミュージックの影響を色濃く受けた創作をしがちな傾向があるものですが、今井氏の作曲やギターワークは実に独創的。
当時の音楽雑誌などにも、今井氏の”変態”コード進行などという特異な音楽性を取り上げた記事が多数掲載されていました。
バンドでのリードギター的役割をこなす今井氏の紡ぎ出すギターソロも、次に何が飛び出すのか予想の付かない意外性を感じるものが多いです。
ありきたりな言葉ではありますが、非常に個性的。他者の物まねでは無い、独創性溢れるギタリストだと言えるでしょう。

そんなアーティスティックなギタリスト今井氏は、レフティー(左利き)用ギターを使用するギタリストでありますが、実は利き手は右。
昔見たテレビ番組の中で、ピッキング動作は機械的な動きなので、利き腕で無い方の手に担当させる事にしたと言った趣旨の発言をなさっていました。
実に合理的な天才的発想に大層驚いた記憶があります。
そんな今井氏は、ギターの選択でもまた個性的。
基本的に、在る物ではなく自身のアイディアを形にするのがお好きな様です。
デビュー当時こそ、定番のテレキャスターモデル(独自にペイント済み)でしたが、デビュー後にはFERNANDES製「TEJ-BT」(ピックガードレス、コンコルドヘッド採用のテレキャスターモデル)を愛用。

※ 写真は一般的なFernandes TEJモデル。
この当時は、BUCK-TICKのもう一人のギタリスト「星野英彦」氏が似たようなモデルを愛用したので、左右のTEJが並ぶ、見た目にも格好良いバンド形態でした。
その後、今井氏のみコンコルドヘッドのピックガードレスストラトキャスタータイプFernandes「STJ-BT」を使用し始めます。
(私所有の
Vester MANIAC STJは、この今井氏モデルSTJのコピー製品です。)
そこから更に今井氏のギター遍歴は続き、1989年には今井氏モデルとして有名なFernandes「BT-MM(通称・マイマイ)」が登場します。

※ 写真は右用モデル。
マイマイモデルは、一方がフレットレスのダブルネックモデルが制作されたり、カラーバリエーションや仕様の違うモデルが数多く作られ、長く今井氏の愛用するモデルとなりました。
その後も、独自のジャガータイプや未来的アイディア・ルックスのネックスタビライザー付エレキギターFERNANDES 「STABILIZER」、ギター本体にテルミンを内蔵したモデルまで登場したFERNANDES「BLACK POT」、マイマイモデルの元になったギターの姿を想像し作成されたFERNANDES「DAZZLER」など、個性溢れるモデルを開発し愛用し続けて来ました。

もちろん、GibsonやFender、TALBO等も使用して来た今井氏ではありますが、やはり歴代「今井モデル」の数々こそが超個性派ギタリスト今井氏を良く表している物なのだと思います。
後数年もすれば、デビューから30年。
その間、独創性溢れる多彩な音楽性発揮し続けて来たBUCK-TICKと今井寿氏。
天才にアイディアの枯渇など無いと何時も感じさせてくれる、稀有な存在であると思います。


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