知っていると、少しだけためになるかもしれない小技。
今回の小技は、エレキギター愛好家の皆様なら一台はお持ちであろう”エフェクター”。そのお手入れ方法についてです。

BOSS / OD-3 Over Drive
エフェクターのお手入れ/日々のメンテナンスと言われてもあまりピンと来ないかもしれません。
ギター本体に比べれば、然程手をかけている方も少ないのではないかと思います。
先ず、日常的なお手入れとしては、使用後のギター弦をクロスで拭くのと同じように、インプットジャックやアウトプットジャック等のメッキパーツの汚れ、余分な水分や油分をふき取ってあげるのが望ましい訳です。
更に当たり前の事ですが、ジャック部分からほこりが侵入する事を防ぐ意味で使用後には出しっぱなしにはせず、エフェクターケース等に収納しておくことが必要かと思います。
しかし、そうしていたとしても日々使う道具ですので自然と劣化は進みます。
長年愛用していれば徐々に問題は起きて来ることでしょう。

BOSS / OD-3 Over Drive
最も起こり易いであろうエフェクターの劣化/問題個所はと言うと、やはりジャック周りのトラブルになるかと思います。
繰り返しジャックの抜き差しが行われる端子部分。使用後にふき取り等のお手入れをしていても、何時かはメッキ部品のくすみ、錆び由来による浮きや剥離という現象が起きてしまいます。
そうなると発生するのが接触不良。”ガリ”等と呼ばれる現象やノイズの増大と言った問題です。
こうなると、元の状態へ戻すにはメーカー修理に出すしかありません。
電子工作が得意な方でしたら、ご自身でジャック交換される場合もあるかもしれませんが。
しかし、軽微な接触不良でしたらちょっとしたお手入れで多少改善出来る場合があります。

一家に一本あると言っても大げさではない位有名な品。呉工業の製品KURE「5-56」は、”潤滑剤”としてのイメージが強い製品ですが、要は”油”由来の製品ですので錆び落としや通電性の改善にも使える優れものです。
これをティッシュ等に取り、シールドケーブルのプラグ部分に塗布。
5-56の塗布されたプラグをエフェクターのジャックに何度か抜き差しするだけで接触不良の改善が見込めます。
くれぐれもエフェクターのジャックに直接吹き付ける様な真似は厳禁。故障の原因になります。
このままの状態ですと、当然ほこりを寄せ付けてしまいますので、余分な油はふき取っておくと良いでしょう。
エフェクターのジャック内側に付いた余分な油はふき取り難いので、そんな時に役立つ品は何処にでもある”綿棒”。

綿棒でジャック内側の余分な油をふき取ってやればOKです。プラグを受け止めるジャック内の端子はデリケートなものですので、無理な力は禁物。なるべく丁寧にふき取ってやるように心がけて下さい。
ジャック内部を綿棒でふき取る際、ふき取ってみて特に汚れが酷い様でしたら、綿棒自体に5-56を吹きかけ磨いてやると良いかも知れません。
程度の軽い錆びでしたらこれで落とすことが出来ます。
そうした後にも、仕上げに余分な油をふき取る事をお忘れなく。

こういった作業時にあると便利なのがLED等のミニライト。
端子内部の状態を確認するのに有効です。
最近では、手軽に手に入る品だと思いますので、一つ用意しておくと作業がはかどると思います。
さて、エフェクター端子部の接触不良によるガリやノイズ増大は、インプットジャック/アウトプットジャックに限った事ではありません。
パワーサプライ/アダプター等でエフェクターに電源供給している場合、9V電源端子の接触不良もノイズの原因になったりします。
シールドケーブル回りの接触不良を改善するだけでは駄目なのです。
エフェクターの9V端子、パッチケーブル、パワーサプライの各端子、これらも管理/手入れをしなければなりません。
これも、パッチケーブル端子に5-56を塗布し抜き差しするという方法である程度お手入れは可能ですが、エフェクター/パワーサプライに搭載されている9V端子(メス)は小さく手入れがし難いものです。
そこで役に立つのが、ベビー用綿棒。

文字通り、赤ちゃん用の細い綿棒。街のドラッグストアでしたら、ベビー用品コーナーに置いてあると思います。
家の子供が小さい頃に初めて手にしたベビー用。
今でも違った意味で常備品になっています。
これですと、ギリギリ9V電源端子内部のふき取りや汚れ落としに使えます。
一家に一本と少し大げさな書き方をしましたが、5-56なんて常備していないという場合。

私も長年愛用している
ローズネックオイル。
製品説明を良く見ると「メッキ等の金属部分や塗装面の保護にも優れた効果をもちます」と明記してあります。
オイル=油ですので、至極当たり前な話と言えばそうなのですが、こんな指板湿潤剤もジャック清掃に利用可能です。
軽い錆び落としとして使えるのも同じ。
更に、楽器用等としても良く見かける接点復活剤という製品もあります。

実は端子に良くないなんていう意見も聞きますが、私はそこまで気にした事がありません。
手元にあれば使うと言った感じです。
そもそも、そこまで細かく気にする人間ならば、シールドのプラグを
コンパウンドで磨いてしまう様な大胆な真似はしないものですが。
個人的には錆びだらけ、ノイズだらけになった機材を使える状態にする方が余程重要だと考えます。
どんなに高性能、低ノイズのエフェクター/パワーサプライ(シールド/パッチケーブル)であっても、使い続ければ徐々に劣化はして行くものです。
レア物や超高級な品であれば、きちんとメーカー修理に出した方が良いというのは言うまでもありませんが、ジャック交換等の大手術を行わなくとも丁寧に手入れをしてやる事で、使い物にならなくなったエフェクターが再び利用出来るレベルまで改善出来るかもしれません。

electro-harmonix / Metal Contact 接点復活剤

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