ギターを弾く上で知っておくとお得な楽典その48。
今回は装飾音について。
装飾音を簡単に言えば、メロディーやその近辺で音列に起伏を与える為挿入された音符。
例えば、
前回取り上げましたコード構成音を利用した伴奏やその繋ぎフレーズ、こうしたものも乱暴に解釈すれば装飾音と考えられると思います。
あるコードを鳴らし、コード構成音を使ったフレーズで次のコードへと繋ぐ。
コード間を滑らかに繋ぐ為に挿入された装飾であるとみる事も出来る訳です。
しかしこの場合、装飾音に使われるのはコードに合わせた和音構成音。
当然、コードと協和するわけですから何ら問題はありません。
ですが、装飾音という概念には、必ず和音構成音でなくてはならないですとか、調性・スケールに含まれる音符でなくてはならないという縛りはありません。
また逆に、非和声音に限り装飾音と言う扱いになるのかと言われればそうでもありません。
コードトーンを使った音が装飾音であると解釈出来るケースも多々あります。
和音構成音を利用したフレーズをコードとコードを繋ぐ装飾とみる事も出来ると言うのはそういった意味合いでもあります。
たとえば、コードCの指定がある小節にこんなクロマチックフレーズを入れる事も可能な訳です。

挿入された装飾音には、コード構成音でもなく、スケール上の音階でも無いものが含まれています。
ターゲットとなる音へと滑らかに繋がる為の繋ぎとして利用されている例です。
こんなクロマチックフレーズが有りというならば、メロディーとの間に不協和音程も生まれてしまう(生まれやすい)のでは?と心配にもなります
しかし、装飾音にも分類上いろいろなルールがあるもので、強拍以外で短い音価、コード進行の妨げにならない(コード特製・進行の指向性を妨げない)など、考えなければならない要素はあります。
短い音価ならば、不協和も見過ごされる場合もあります。装飾音として挿入される音が一瞬メロディーと不協和関係にあったとしても、その良し悪しを決めるのは作曲/編曲者です。
もちろん何の目的もなくメロディーとの間に不協和音程を作る音を長く/沢山挿入してしまえば、結果は火を見るよりも明らかですが。
真面目に理論に向き合っている方は、Cという和音指定がある小節にこんな事をして良いのか?という疑問を抱いてしまうかもしれません。しかし本来、音楽は自由な物です。
耳で聞いた時、それが作曲者の意図通りであり、おかしく聞こえないモノであればそれで成立していると考えられます。
理論的な音楽思考も大切・有用でありますが、あくまで音楽と言う物を理論的に解釈しようとする行為です。
基本的な理論ありきで音楽を作ろうとしてしまえば、結果的に簡単な理論に縛られてしまうという結果を招きかねません。
基礎的なルールを守る事だけを考え音楽創作にのぞめば、どれも同じような面白みのない物ばかり出来上がってしまう事でしょう。
理論的解釈は後回しにして、とにかくチャレンジしてみる。
おかしければ、他の方法(伴奏やフレーズ)を模索する。
そんな音楽制作を心がけてみると、今までとは一味違った作品が作れるかもしれません。
音楽的マインドに溢れている方には当然の作業かもしれませんが、納得する作品が作れないと悩んでしまっている方は是非。
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