知っていると、少しだけためになるかもしれない小技。
今回は、しっかり弾く練習と気軽に弾く練習の差についてです。
ギター初心者の頃は、何となく弾けているだけで楽しいものですが、ある時ふと気が付いたりするものだと思います。
ギターを弾くという行為、その難しさに。

リズムを取れればOK。大体音符通りに弾けていればOK。
楽器ですからそんな楽しみ方でももちろん良いのですが、エレキギターという楽器をしっかり扱いたいなんていう事を考え始めてしまうとその難しさに驚き、そして、如何に自分の演奏が稚拙であるかを思い知る事となります。
簡単に言えば、押弦がきちんと出来て居ないですとか、しっかりピッキングが出来ていない、左右の連携が・・・もう、上げればきりがないもので御座います。
初心の頃は気が付かなくとも長くギターに触れあって行けば、そんな上級者との差に誰しもが気が付いて行くものだと思います。
そして、今まで少し弾けるようになったと言う(勘違いな)思いを考え直すのだと思います。”しっかり弾けるようになろう”と。

良くプロの方が”ギターを鳴らしきる”なんておっしゃいますが、私含めアマチュアの人間には、その意味すら曖昧なものであったりもします。
そんなプロのお言葉を漠然と受け取り考えれば、演奏ミスしないのはもちろん、しっかりと音を出す(演奏をする)ということなのかな?と受け取る訳です。
其の上で更に目標を高くすれば、そのギターが持っている本来の”良い音”を出すという事になっていくのだと想像しますが、基本的なしっかりと音を出すという事すら難しいのがエレキギターという楽器であったりもします。
それでも尚、上達したいと思い願うならば、試行錯誤を重ねながら日々練習に取り組んで行こうとするものだと思います。
無理なくスムーズな押弦。
しっかりとしたピックの振り。またそのアプローチやピックを振る速度。
また、それらを円滑に行うためのフォームの見直し。
課題は山ほどあります。そして、一つ山を越えれば次の山が見えて来ます。
一度登った山が、実は目標とする山で無かった場合もあると思います。

ですが、”しっかり弾ける”事を目標に練習を積み重ねれば、少しずつでも演奏精度は上がり、上達を実感出来て行くのも難しさ故の面白さだと感じるものなのではないでしょうか。
さて、そんなしっかりと(真面目に?)エレキギターに向き合い始めた時、意外とはまってしまいがちな落とし穴があると思うのです。
それは、しっかり弾くという意識を持つからこその”力み”。
意識を持つという事は、自然とどこかに力が入ってしまうのが人間です。
より良い演奏の為には”
脱力”が重要であるというのは良く聞く話だと思いますが、ギター演奏=運動行為であると言う点を踏まえれば、運動効率上脱力は必須の概念です。
単純に言えば、無駄な力が入っている状態では、円滑な手指(手首、腕)の動きは期待出来ません。
自身が持っている本来の力を発揮出来ない状態であるわけです。
しっかり弾くという意識を持って演奏すれば、確かにしっかりとピッキングは出来るかもしれません。
ミスなく押弦も出来ているかもしれません。
しかし、何も考えず、ダラダラと引いた場合どうでしょうか?
一気に運指やピッキング精度は落ち、それどころかピッキング行為自体がめちゃくちゃになってしまったりしないでしょうか?

その原因はと考えると、”しっかり弾こう”と思うがあまり、気づかぬ内に思いもよらぬ力を入れて演奏してしまっているからなのだと思われます。
ピッキング動作について考えてみれば、ピックを振るという基礎動作に伴い、軌道を安定させる為に力も使われていますし、ピッキング動作に手や指が振り回され過ぎない為にも筋肉(力)は使われています。
つまり、しっかりと弾こうと意識する状態では、不用意に入っている力がそれら演奏動作の安定に使われている。
逆に無意識でダラダラと弾いた場合には、その力が無いので抑えが利かず精度が低下すると言う事態を招いてしまうのだと思います。
これの何がいけないかという話ですが、不用意な力が何処かに入って居れば当然動きに制約が生まれます。
速いフレーズ等の対応も困難になります。
しかも、力んだ状態で練習を重ねても、動作安定に必要な筋力には鍛錬に必要な負荷がかかり辛い状態になっている(※)とも考えられますので、いつまでも脱力した状態で思う様な演奏はし辛いという事になってしまうと思います。
※ 他に無駄な力が入る事によって、本来鍛えたい筋力がさぼっている(力を発揮する必要のない)状態。
では、無理なく脱力して演奏出来る様になるにはどうしたら良いのかと考えると、しっかりとした演奏を心がけつつ脱力・・・
そうは言ってもそれ程簡単な話でもないと思われますので、先ずはダラダラ弾いてみるのが良いのではないかと思います。
練習するぞ!なんて意気込まず、ただ何となく、楽しむだけな意識でギターに向き合う。
これも、演奏技量向上の為の立派な”鍛錬”になりうると思うのです。
ダラダラとギターを弾く行為は、あながち”不真面目な練習である”とは言い切れない。というお話でした。

Squier / Vintage Modified Telecaster Thinline / Lake Placid Blue S/N:ICS120501229 【アウトレット特価】

大都市圏に15店舗を運営!楽器の事ならアフターも安心の石橋楽器店!
- 関連記事
-
スポンサーサイト