気になるギタリスト70回目。
お年を召したロックファンにとって”リッチー”と言えば”ブラックモア”なものですが、若い方にとってのギターヒーローとなるとこちらの方になるのかもしれません。

「ポイズン」や「Mr.BIG」のギタリストとしても活躍したアメリカ人ギタリスト「リッチー・コッツェン」です。
技巧派の若手ギタリストとして1989年19歳でデビュー。
若いころの彼は速弾きやスウィープなどを巧みに操る、テクニカルなスタイルが売りのギタリストでありました。


当時のアルバムジャケット等を見ると”あの時代”と感じさせる様な風貌をしたリッチーの姿を見ることが出来ます。
そんな腕を見込まれた彼は、当時人気を誇ったL.Aメタルバンド「ポイズン」ギタリストとして迎えられる事となります。

リッチーが加入することにより劇的な変化を迎えた「ポイズン」。
アルバムセールスも好調でしたが、メンバー間の不和が生じここでの活動は長く続きませんでした。
それからしばらくはソロ活動に専念していた彼ですが、またもやビッグなバンドからお声がかかります。

電撃的な「Mr.BIG」への加入。
Mr.BIGと言えば「
ポール・ギルバート」と「
ビリー・シーン」という巨大な二枚看板が印象的過ぎるバンドでしたので、一体どうなるものかと思いましたが、もともと技巧派のリッチー・コッツエンはここでも十分過ぎるほどの存在感を示すこととなりました。
その後、バンド内の方向性の違いから解散を迎えるMr.BIGではありますが(現在はオリジナルメンバーで再結成)、円熟味を増し、やや抑えた様なリッチー・コッツエンのギタープレイは、確かに新生Mr.BIGのギタリストとして光輝くものだったと思います。

Mr.BIG解散後のリッチーはというと、またソロ活動を続けながら、「ビリー・シーン」、元ドリームシアターのドラマー「マイク・ポートノイ」と共に「ザ・ワイナリー・ドッグス」を結成するなどして活躍。

2006年には、突如”アニメ機動戦士ガンダム”の楽曲をカバーした「哀 戦士・ZxR」を発表するなどして世間を驚かし続けております。
このアルバムでもボーカルをとる「リッチー・コッツエン」。
彼の何が凄いかというとボーカル力の高さも彼のギターヒーロー像を高めている要因なのだと思います。
若かりし頃からの超絶技巧。
それに裏打ちされた一見大人しそうで実は複雑なギタープレイ。
速弾きからスウィープ、さらには指弾きまでこなす幅広いテクニック。
おまけにカリスマ性を感じさせる歌唱力まで持ち合わせる多才ぶり。
年を重ねて更に光り輝く様なそのカリスマ性。
ビリー・シーンくらいの怪物ミュージシャンでなければ組む相手がいなさそうなのが、ギターヒーロー「リッチー・コッツエン」の抱える悩みなのかもしれないなと考えてしまいます。
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