知っていると、少しだけためになるかもしれない小技。
今回は、普段と違うフィンガリングスタイルというお話です。

左手運指フォームには大別して2種類。ネック裏に親指を当てて運指を行うクラシックスタイルとネックを握りこむ様に構えるカントリースタイル(ロックグリップ)があるというのは良く知られている事だと思います。
どちらのスタイルにも利が有り、不利があるという事で、どちらを選ぶかは奏者の求めるスタイルによるところが大きく、どちらが優れているという訳でもありません。
中には、時と場合により自在にスタイルを変えて演奏出来てしまう等という凄腕の方もいらっしゃるかと思いますが、私はというと基本的にカントリースタイルが常であります。
となれば練習するのも大半がカントリースタイルでの運指練習を行ってきたという事であります。
当然、クラシックスタイルは少々苦手。
普段弾きなれたカントリースタイルであれば問題なく弾けるフレーズもクラシックスタイルで弾いてみようとするとミスしてしまったりもします。
そうであれば、やっぱり一つのスタイル、練習を積んできたカントリースタイルで弾き続ければ良いではないかとも思う反面、慣れないスタイルで練習する事にも意味があると思うのです。

普段カントリースタイルで慣れている人間にとってネック裏に親指を当てるクラシックスタイルは、その利点である薬指や小指の動かしやすさが仇となり、薬指や小指の制御が上手く行かないと感じる事が間々あります。
ミスしやすいのもやはりこの薬指や小指。
ネックを握りこむスタイルに比べ、指が開きやすく自由度が上がっているのだからもちろんだとも考えられますが、つまりはクラシックスタイルを行う上では薬指や小指の制御力が不足しているという事の現れでもあります。
しかし、スタイルがどうであれ押弦に使っている手指は同じ。
クラシックスタイルでの押弦が上達すれば、すなわちカントリースタイルでの押弦能力/指の制御能力もさらに向上するという事だとも考えられる訳です。

実際、あえてクラシックスタイルでスケール練習に挑むなど、苦手なスタイルでの練習に努めた結果、ネックを握りこむスタイルでの運指が安定したりもしました。
運指の感覚を表現する時に”指を落とす”と言い表すのを聞いた事がありますが、クラシックスタイルの練習はそんな感覚を得るのにも適切なのではないかとも感じました。
つまりは、使う使わないに関わらず、普段自分が得意としていないやり方をやってみるというのは、大変有用な練習になりうるという話であります。
逆のケースも然り。
普段クラシックスタイルの方が少々窮屈だと感じるであろうカントリーグリップに挑めば、手指の柔軟性向上に役立つものになると思います。
何事も実際に挑戦してみると、そこから得られるものが沢山ある。
これは他の事柄だけでなく、ギター練習においても同じなのだと思います。
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