気になるギタリスト79回目。
今回とりあげますのは、メタル信仰が根強い北欧出身のギタリスト。

ノルウェーのブラックメタルバンド「Emperor」のギタリスト、「サモス」です。
まず、見た目からして北欧メタルバンドのギタリストという感じの長髪。
激しいスピードとサウンド、ステージアクションなどまさにメタルギタリストという人物でありますが、面白いことにバンド結成当時はドラマーでありました。
もちろん、ヘヴィーメタルギタリストである以上、その技術は超絶的なレベルのものなのですが、同じように技術を要するメタルドラムもこなせてしまうというマルチな才能の持ち主でもあるわけです。
しかしながら、多種の楽器が演奏出来るという点よりも、如何なる楽器を用いようがヘヴィーメタルをやりたいという確固たる意志が彼にはあるのではないかと感じさせます。
そんなサモスとEmperor。
熱狂的なメタルファンが大勢を占める北欧の地において、注目される存在となるためには相当な実力が必要とされるのは想像に難くありません。
そんな状況下で彼とバンドを一躍有名にしたある事件があります。

なんとこのEmperorというバンド、ボーカリストを除くサモス本人を含めたメンバー3人が同時期に懲役に服するというバンド崩壊を引き起こしています。
サモス本人が犯した罪は教会への放火。
世間では単なる犯罪行為、凶行として見られる事件でありますが、ブラックメタルバンドのギタリストが起こした事として見ると、ブラックメタルの世界を生きるギタリストとして如何に本気な人間なのかというのが透けて見える様にも思えます。
この後、サモス以外の懲役刑を受けたメンバーは脱退。
活動休止状態であったEmperorは、唯一懲役刑を受けなかったボーカリスト「イーサーン」とサモス、新メンバーを加えて2006年に再結成されることとなります。

もちろんこの再結成までの間にもサモスは他のバンドで音楽活動を継続していました。
さて、見た目も私生活も骨の髄までメタルギタリストという感じの彼ですが、その技術をみるとやはり流石であると感じさせてくれます。
これは、メタルギタリスト全般に言える事でもありますが、超絶的なスピードを要するヘヴィーメタルに於いて必要とされる無駄のない美しいピッキングを彼に見ることが出来ます。
特に力んでいる様子もないスムーズな演奏技術を見ていると、訓練の積み重ねとその大切さを思い知らされる様でもあります。
しかし、サモスがこうした技術を手に入れられたのも、誰よりも強いメタル愛があるからこそなのかもしれません。
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