ギターを弾く上で知っておくとお得な楽典その69。
前回に引き続き個性豊かな世界の音階。
今回はお隣の国、中国の音階です。

古典的な中国の楽曲は?と聞かれても大抵の方が知らないようなモノだと思いますが、それでも中華風と言えば何となくそれっぽいものを思い浮かべる事が出来てしまうのではないでしょうか。
そんな個性的な中国音楽に使われている音階。

音階の構成音はC・D・E・G・A。
これが基本形になります。
そうです。驚くべきことに西洋音楽で言うところの”
ペンタトニックスケール”と全く同一なのです。
あれほど個性的な中国音楽ですので、さぞかし特殊な音階が使用されているかと思いきや至ってメジャーな五音音階。
これだけでもびっくりする様な話ですが、面白い事はまだあります。
この基本的な五音音階の他に、この音階に含まれる別の音を主音と捉えた音階も利用されています。
つまりは、上記五音音階の開始点(音)を変えた音階ということになります。

基本形C・D・E・G・Aの第二音からスタートすれば、D・E・G・A・C。
(第二音スタートの音階をC音を主音として変換すると~C・D・F・G・Bb)

第三音からスタートすれば、E・G・A・C・Dといった具合です。(C主音に変換するとC・Eb・F・Ab・Bb)
すでにお気づきの事とは思いますが、この音階の開始点を変えることによって生じる微妙な聞こえ方の違いを作曲に活かすという考え方は、西洋音楽で言うところの
教会旋法と同じ考え方と言えるものだと思います。
長い人類の歴史の中でヨーロッパと中国の交流があったとは言え、独自の発展を続けてきた中国音楽と西洋の音楽で似たような考え方がみられるというのも非常におもしろく感じられるところです。
そしてさらに。

つづく第四音スタートの音階を見てみますと、G・A・C・D・E。
音程関係を見ますと”全音・一音半・全音・全音(・一音半)”となりますので、これをC音を主音として変換しますと・・・

その並びは、C・D・F・G・A。
これは、日本古来の五音音階。雅楽で言うところの”律旋法”と同じです。
非常に個性的に聞こえる中国音楽もその音階を紐解けばペンタトニックスケール。
また、日本古来の五音音階にも通じるという音階の不思議。
そう考えると、中国音楽の中国らしさとは独特な古典楽器やリズムにこそあるとも言えそうですが、別な見方をすれば、結局はペンタトニックフレーズ/律旋法ですので、中華風なフレーズをエレキギターに取り入れたりすることも考えられる訳です。
創意工夫次第では面白いアプローチも可能になるかと思います。
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