気になるギタリスト84回目。
今回取り上げますのは、世界中にファンを持つ、今や伝説のアメリカンメタルバンド「メタリカ」のメンバーとして、30年以上の長きにわたり活躍を続けてきたギタリスト、「
カーク・ハメット」です。

ご存知「メタリカ」は、”スラッシュメタル”の先駆者として知られる超有名バンド。
多くのスピード感溢れる楽曲で、世界中のメタルファンを魅了し続けて来ました。

「カーク・ハメット」がメタリカに加入したのは1983年。
後に「メガデス」を結成することになるギタリスト「デイヴ・ムステイン」の後任ギタリストとして加入しました。
そこから現在に至るまで、「カーク・ハメット」はメタリカのリードギタリストとして活躍を続けています。
実はこの時、既に「LOUDNESS」として活動していた「高崎晃」氏にもメンバー加入の話が出ていたそうです。
もちろんこの話は実現しませんでしたが、もし高崎氏がメタリカのリードギタリストになっていたら?と考えるとそれはそれで大変興味深いものであります。

メタリカに加入したカーク・ハメットは、それこそ怒涛の勢いで名曲、名演を生み出して行きました。
スラッシュメタルとカテゴライズされるバンドである以上、非常にスピードのある楽曲も多いメタリカではありますが、長い歴史を積み重ねる中で時代の要請にも答える様な形で様々なアプローチを見せてきた一面もあります。
ダウンチューニングの活用やオルタナティブロックを思わせる楽曲など、それら時代に合わせた変化を見せて来ました。
つまりは、「カーク・ハメット」もそうした楽曲、そして演奏に対応してきたとも言える訳でありまして、メタル一辺倒ではない非常に懐の深いギタリストであると言えるかと思います。
もとより、スピードの速い楽曲に於いて速弾きをこなせるという時点で超絶的な技巧とも言えるのですが。

しかし、彼は超絶技巧に間違いなくとも、どこまでも上手なギタリストというイメージはありません。
なぜならそれは、時に”荒っぽい”演奏を見せるからです。
あれだけ速いテンポの曲で、更に速弾きとなればミスが起こるというのも当たり前という気も致しますが、実際同じようなテンポでももっとミスをしないギタリストも存在するとは思います。
しかしながら、「カーク・ハメット」のギターはその荒っぽさ故なのか非常にエモーショナルです。
速く、正確に演奏するというのは大切なのかもしれませんが、そうしてしまうと今度はエモーショナルなプレイとは感じなくなるのかもしれません。
この辺りに、ただ上手いだけのギタリストとは違う、「カーク・ハメット」の凄さが潜んでいるのだと感じます。
楽器演奏は上手いに越したことはない。
ましてプロならば上手くて当然。
しかし世の中にはそれ以上のレベル・世界があるのだと知らしめるかのようなギタープレイ。
彼を見ていると、世界を魅了し続けてきたギタリスト、その凄みを感じるというものです。
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