ギターを弾く上で知っておくとお得な楽典その72。
今回はギターのハーモニクス音。その音程についてです。
ギター演奏の中にハーモニクス(倍音)を絡めて行くというのは、ある種定番の技術でありますが、今回題材にするハーモニクス音はギターの弦を押さえずに”触れ”ピッキング。そして触れた手をはなす~というハーモニクス音の事です。
ピッキングハーモニクスではありません。
ギターの弦を押さえずにピッキングするハーモニクスの場合、左手指で触れる位置さえ気を付ければ簡単に決まった(倍音)音程が得られるという利点があります。
適当に触れてもそれはそれで面白いアクセントとして利用出来るかもしれませんが、音程が決まっているのであれば、それを把握し活用しない手はありません。

という事で、もっとも基本的なハーモニックポイントから見ていきますと、5フレットの真上。
5フレット真上に左手指を触れピッキングを行うと、開放弦の倍音が出ます。
レギュラーチューニングの場合ですと、6弦からE・A・G・D・B・Eと各弦ルートと同じハーモニクスが鳴ります。
解放弦と同じ音程が得られるという事で、フレーズの中にも混ぜやすい、よく使われるハーモニクス音であります。

つづいて、5フレットと同じように定番なのが、2フレットに近い位置。3フレットの1/3辺りのハーモニクスポイント。
ここでも開放弦の倍音が得られます。
しかしながら、フレットの真上と言う分かりやすい目安がありませんので、正確に鳴らすには多少の慣れが必要かもしれません。
僅かにズレればそれだけでピッチは変わりますし、大きく外れれば他の倍音になってしまいます。
ある意味、その微妙なピッチのズレを楽しむハーモニクスポイントとも言えるのかもしれません。

次に分かりやすいポイントは、7フレットの真上。
このポイントでは、6弦からD・G・C・F♯・Bと開放弦から見て完全5度上のハーモニクスが得られます。
開放音程から見てパワーコードとして付加される音程でありますので、これも使いやすい倍音であると思います。

そして、6フレット真上にもハーモニクスポイントがあります。
ここは、6弦からD・G・C・F・A・Dの各倍音が得られます。
すなわちこれは、開放音程から見て長6度上の音程。
開放音程をルートとするセブンスコードに付加される音程が得られるポイントです。
これも、フレット直上で鳴らせるポイントですので使いやすく、また長6度上という事でセブンス的な雰囲気を出すのに重宝します。
また、6弦開放から5弦6フレットハーモニクスという関係を見ていくと長2度(※)ですのでこうした見かたをしてフレーズに利用するという事も考えられます。
※ 3弦開放(G)から2弦6フレットハーモニクス(A)の関係は短2度。
もちろん、単一の弦/フレット上だけでなく、複数の弦/ハーモニクスポイントを利用したりすれば、和音/アルペジオやフレーズとしても使用出来ます。
それはそれで、技量が必要になりますので練習は必要になると思いますが。
これ以外にも4フレット/10フレット真上は開放音程から見て短3度(メジャーコードの3度音程)など色々ありますが、上記4種類を覚えて置くだけでもかなり使えるのではないかと思います。
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