ギターを弾く上で知っておくとお得な楽典その76。
今回は三和音と四和音の繋げ方についてです。
和音の基礎は、根音+3度+5度の三音和音。
そこへ更に機能性のある一音を加えたものが四和音というのはこれまで見てきた通りです。
基本的な三和音さえあれば、なんとか曲にはなりますが、
ドミナントモーションと言った事を考えると四和音が必要になってきます。

上記は基本的なII→V→I(ツーファイブワン)の進行です。
三和音のDmから、四和音のG7へ。
そして、主和音のCへと繋がる基本的な形です。
さて、一旦これをもっと見やすい形にしてみます。

音の重複も転回も何もない形の和音としてみてみると、やはりG7だけ四音というのが良くわかります。
これは単純に三音の響き(の強さ)と四音の響きに差があるというのがわかります。
ルールに乗っ取った基本的な形ですので、コード進行的には何ら問題のない形ではありますが、場合によっては(3音と4音の差があるため)スムーズに聞こえないと感じる事もあるかもしれません。
ギターの場合ですと、重複する音の数を増やして違和感無く出来たりもしますが、すべてそう出来るとも限りません。
省略コードなどもっと少ない音で表現する場合もある訳です。
そうした場合に、三和音と四和音ではどうも(聞こえ方の)繋がりが良くないと感じる場合もあるでしょう。
ならばどうしたら良いかと言いますと、三和音から四和音へとスムーズに移行して行ける様ちょっとした工夫をすれば良いのです。
これは、あまりに音が離れすぎていたりするのは好ましくないとされるメロディーなどと同じで、似通った組成を持つ和音を活用する事で三和音~四和音のつながりをスムーズなものにする事ができます。

最も単純な方法として、四和音G7の前に三和音のGを挟んでみるというのも良いかと思います。
Dmからいきなり四和音に移行するのではなく、一旦(コードの指向性としても自然な)同じ三和音のGメジャーへと進行し、その後同じルート、和音構成も近いG7に移行という形にするわけです。
こうすれば、三和音から四和音へと急激に変化したという感じは薄まります。

重複する音の数が増えると三和音から四和音の変化はあまりわからないかもしれませんが、一応、ギターですとこんな感じになるでしょうか。
上記例では三和音・似た組成としてGメジャーを選択しましたが、もっと大胆にコード進行自体変えてしまう考え方も出来るでしょう。(Gメジャーの代わりに似た組成のBm♭5を入れるなど)
もちろんこうした工夫は、明確なコード演奏という場面だけではなく、コード進行に則ったフレーズ作りにおいても役立つ考え方です。
和音の変わる場面でフレーズ同士を如何にスムーズに繋げるかという場合にも、前後の和音の組成と似た音、近しい音を繋げてフレーズを作る事でより自然な演奏が可能になるかと思います。
単純に重複する音の数で聞こえ方の強さを調節するのも手ですが、似た組成の和音をもう一つ加えてコード進行をスムーズにするという方法もある訳です。
急激な聞こえ方の変化を使いたいという場合には別ですが、スムーズな曲の流れを重視するのならば、こうした点を考えてみると良いかと思います。
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