ギターを弾く上で知っておくとお得な楽典その81。
今回はメロディやフレーズ内で好ましくないとされる音の繋がりのお話です。
実際に楽器を使い、作曲やフレーズ制作をすれば、良くない音の繋がり等というものは感覚的に掴めるものだとは思います。
単純に良くないメロディ、格好の良くないフレーズとして聞こえる訳ですから、そんなものは自然と避ける訳です。
しかし、こういった良くない音の繋がり方は、(楽典的な解釈で)避けるべき音の繋がりとして既に知られているものであったりします。
そんな例を一つ。

最初の音から二つ目の音、三つ目の音と三音連続するメロディ/フレーズ(の一部)があったとします。
上記の場合、最初の音から二番目の音へと跳躍進行し、さらにもう一度跳躍するという形です(二回同方向への進行/この場合上行二回)。
実際に弾いてみて頂くとお分かり頂けると思いますが、あまり魅力的とは言えない音列です。
譜割りやリズムを工夫したとて良くは聞こえないでしょう。

ここでポイントとなるのは、二回の跳躍の音程差、その合計です。
このメロディの場合、二回の跳躍の音程差合計は増4度。
同方向、二回の跳躍進行で増4度に帰結するフレーズはそれだけで良く聞こえません。

同じように、二回の跳躍後の音程差合計が長/短7度になるもの。

そして、長/短9度になるものは、それだけで魅力的な音列にはなりません。
もし実際に弾いてみて、これが魅力的だと捉えられるのだとしたら、その方は少々特異な音楽的感性を持っている方なのかもしれません。
大抵の方が、収まりが悪いと感じられる筈であります。

この他にも、一回の跳躍進行が短7度以上(オクターブ移動は除外)になる場合など、楽典的に良くないとされるメロディ/フレーズ進行の形が幾つか存在します。
しかしながら、特にロックやポップスなどでは、そうした良くないとされる基準も時代とともに曖昧になっている部分もあります。
必ずしも絶対にダメと言える訳ではありません。
これは、聞き手に疑問を感じさせてしまう様なメロディやフレーズも、それ自体がインパクトある音列と捉えられる場合もあるからだと思います。
音楽の常識も時代(やジャンル)とともに変化をする場合もある。
そうした事柄は、創作という物事上忘れてはならない概念なのかもしれません。
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