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50代。妻子持ちの普通のおっさんによる、趣味のエレキギターblogです。


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ちょっとした小技76

 知っていると、少しだけためになるかもしれない小技。


 今回の小技は、ギターを買ううえで考えたい一つの要素。

 フィニッシュの違い。”グロスフィニッシュ”と”サテンフィニッシュ”についてです。


 昨日取り上げました様に、今年のEpiphoneブランドのスタンダードモデルにはつやつや仕上げの”グロスフィニッシュ”と”サテンフィニッシュ”のモデルが用意されております。

 ここ10年程、ボディフィニッシュまで含めた”サテンフィニッシュ”というエレキギターが随分当たり前の存在となりましたが、果たして昔ながらの”グロスフィニッシュ”比べてどうなのか?

 良い点は?悪い点は?

 などについて、基本的な部分ではありますが、再度見ていこうかと思います。





Gibson USA / SG Special Vintage Sparkling Burgundy 【S/N 127790234】


 まずは、昔ながらの表面に光沢のあるグロスフィニッシュ。

 今や大分サテンフィニッシュ(艶消し)のギターも世に溢れておりますのが、昔はエレキギターと言えばこんなつやつやな仕上げの物が当たり前でした。

 これは、ネック裏部分についても同様で、例えネック裏塗り(色)が無くとも透明な塗料でつやつやに仕上げられているのが普通でした。


 しかし、実際に手が触れるネック裏がグロスフィニッシュであると、少し手汗をかいたりした場合などに滑りが悪くなると感じる場合もあります。

 そこで、ネック裏のみより生木の感覚に近いサラサラのサテンフィニッシュにしたモデルなどが登場するようになりました。

 アコースティックギターや大手Fenderなどがこうしたサテンフィニッシュのネックを採用していたと思いますが、カスタムメイドのギター(高級品)などでも見られた特別な仕様と言えるでしょう。


 しかし、現在ではネック裏に限らずその他ボディ含めた全てのフィニッシュをサテン仕上げにした製品も当たり前のものとなりました。


 そうしたサテンフィニッシュモデル(Wornモデルとも)は、市場を見る限り(ブランド単位で見た場合にも)廉価なモデルに採用されているイメージが強いです。

 実際、何層にもわたり塗膜を重ねていく必要のあるグロスフィニッシュに比べ、全体をサテンフィニッシュにしてしまえばその分作業工程も短縮出来ますし、人的負担や塗料など素材負担も減るはずです。


 したがいまして、サテンフィニッシュの優れている点その1としましては、(同じメーカーのグロスフィニッシュ)同等製品より価格が安くなるというのが挙げられます。

 しかも、塗膜が薄いという事で、音響的にも良くなると言うのが一般的な意見です。


 しかしこれは、ヴィンテージ品や高級な製品に見られるラッカー塗装(塗料が異なるだけでグロスフィニッシュという扱い)モデルが現代のポリ塗装に比べて塗膜が薄いという性質と比較し、それに近い状態を簡単に作り出せるというのがその理由なのではないかと思われます。

 ギター全体に施すと意外と重量が嵩むグロスフィニッシュの塗装を剥がしてしまう愛好家がいらっしゃるのも同様の効果を狙ったものだと思われます。


 この点に関しましては、全体の塗膜が薄ければ良い音などと言う程ギターという楽器は簡単な話ではないと思いますので、こうした要素はあくまで音響的に優れた結果をもたらす可能性がある(高い)と考える程度に留めておいた方が良いかと思います。





Gibson USA / Les Paul Junior Tribute DC 2019 Worn Ebony


 価格は安く、サラサラ触感も良く、音響的にも良さそうとなるとサテンフィニッシュの株がぐっと上がる気も致しますが、良いことばかりでは御座いません。

 単純に考えて、塗膜が薄いという事は塗装面の変化が起きやすいという事でもあります。

 日常的に触れる事の多い楽器であれば猶更です。


 いくらサラサラ手触りのネック裏も熱心に練習すればグロスフィニッシュ程までとはいかないまでもあっという間にツルツルになります。

 これは、ボディ部分などにも言える事で、肘などが触れる部分などはその部分だけテカった状態になります。

 言うなれば、新品の”見た目”、”触感”が保てる期間が短いという事です。


 後に売りに出すという事を考えるならば、明らかに中古という状態にすぐなってしまうサテンフィニッシュモデルは不利と言えるかもしれません。

 グロスフィニッシュのモデルでもちょっとぶつけてしまえば打痕が出来てしまったり、細かな表面の傷がついてしまうものですから、マメに練習する方にとってはそれ程大きな差ではないのかもしれませんが。


 ですが、グロスフィニッシュであれば、多少の傷は修復が可能な場合もあります。

 ある程度の塗膜の厚さがある以上、直せる可能性があるのです。


 しかし、サテンフィニッシュの場合にはこうは行きません。

 塗膜が薄い分、打痕は素材まで傷つけてしまっている事も多く、磨いて小傷や汚れを取るのも上手く行きません。

 (全体を磨いて一部分だけのテカりを目立たなくするという事は可能ですが)


 傷ついたり塗装が剥がれたりしたらそのまま。

 汚れも取り辛いという点は考慮しておかなければならないでしょう。


 しかしこうした部分は、”自分がどれだけ練習したかが目に見える”、”使い込んだ感じがグロスフィニッシュに比べ簡単に出せる”という考え方をすればマイナス点ではないと考えられます。

 楽器をいつまでも綺麗な状態を保ちたいと考える場合にはサテンフィニッシュは不利です。


 さらに塗膜が薄いという事は、湿気などの問題はどうか?という点も気になるとは思いますが、これは原材料加工/管理の問題が大きく影響すると思われますので、塗膜の薄いサテンフィニッシュの方が特に管理が難しいという話ではないと思われます。

 材料時点での素材加工/管理含め、普段のギターの管理が悪ければグロスフィニッシュのネックであろうが簡単に反り曲がるのがギターですので。


 私としましては、結局のところグロスとサテンどちらが良いかという話ではなく、これはそういう楽器(グロスorサテン)という見方をしています。

 気に入って使い込めば結局どちらも良い楽器であると。

 そもそもが、消耗部品の多いエレキギターは、熱心に使い込めば使い込む程先に他の部分がトラブルを起こします。

 結局、大切に扱えば長く使え、ぞんざいに扱えば直ぐにダメになるというのはグロスフィニッシュもサテンフィニッシュでも同じなのだと思います。





Gibson USA / Flying V B-2 Satin Ebony




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