さて、今回の小技。
根本的なテーマを挙げさせて頂きますと、
「楽になったのは上達か、否か。」です。
以前より、よりよい演奏をする為には、無駄な力を入れてない状態である”
脱力”状態が望ましいという話をしてきましたが、もちろんその脱力を得る為に日々の(筋力的)トレーニングが必要なのは皆様よくご存じの通り。
ある意味、日常的に行う基礎的な反復練習は、感覚の慣れや技術を磨く以上に、ギターに必要な基礎筋力トレーニングだと考えられるものであります。
そうして、基礎的な力(筋力)を得、結果無理のない脱力状態での演奏が可能になっていくという訳です。
こうした地道な練習を重ねていけば、誰しもがある一定の上達はしていくものです。
これまで弾けなかったフレーズが弾ける様になったり、さらに楽に余裕をもって演奏出来る様になったりしていきます。
そんな実感が得られた時には、すこし上達したと感じられるものですし、嬉しい瞬間なのですが。
ここで一つ。
その楽に演奏出来る様になった状態は、本当に上達した(ギターに必要な基礎体力/筋力が上がった)からなのでしょうか?
それを判断するときに分かりやすい基準として挙げられるのが、正確性です。
最近、楽に演奏出来る様になったと思ったその時、冷静に考えれば以前よりミスが増えているのではないか?
押弦にしてもピッキングにしても、単純ミスが多くなっているかどうかという話です。
もし、これに当てはまる様でしたら、演奏に感じた楽さは間違った楽さなのかもしれません。
基本的に人間の身体は、キツイ状態を無意識に回避する自己防衛本能があります。
ギターに必要な筋力を鍛えるべく、基礎的な反復練習を繰り返している間も、身体は勝手に楽な形(での演奏)をしようとするものなのです。
つまり、楽にはなったがミスが多くなったというその状態は、身体が楽に動ける形を取っただけのもので、当初目指していたギター演奏の理想的なフォームから離れてしまった状態になっていると考えられます。
練習に際し、正しいフォームを意識していたつもりでも、日々の反復練習を繰り返す内に徐々にそこから離れ、気づけば大分違っていたという事は結構簡単に起こりうるものだと思います。
無論、そのまま練習を続けていても、肝心の部分は鍛えられず、(フォームが狂っているので)ミスも減りにくいという状態に陥ってしまいます。
誰かにギターを習っているという場合には、フォームの狂いを随時指摘して頂けるかもしれませんが、個人で練習している場合には自分で修正する必要があります。
少し楽に演奏出来る様になったと思ったその時こそ、今一度フォームのチェックをした方が良い。というお話でした。
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