ギター練習に役に立ちそうな練習フレーズ113回目。
今回の練習テーマは、改めて挑む(ピック弾きの)アルペジオ練習です。
コードアルペジオの練習については以前から何度も触れた事がありますが、何となく演奏出来る様でも自信をもって演奏するのは難しいという方も多いのではないかと思われるこの課題。
ゆっくりとしたテンポならまだしも、少しテンポが上がっただけであやふやな演奏になってしまうという場合も多いのではないでしょうか。
その辺りを克服するべく、どんな考えをもって練習をすべきか。
今回、その辺りを振り返ってみたいと思います。

今回使用する例題は、開放弦を含むEメジャーコード。
実際のところ、これはあくまで例題ですのでフルコードであればどんなコードでも構いません。
あとはご存じの通り、コードを抑えた状態でオルタネイトピッキングを固辞した状態で1音ずつピッキングしていく事になりますが、ここで難しいのがピッキングと共に常に弦間移動を行わなければならないという事です。
慣れている方ほど、ここで弦間ピッチ(+弦高)の微妙に異なるギターを急に持つとミスが多くなるというのはよくある話だと思いますが、この感覚的な部分はある程度練習を積んだ方であれば初中級者の方でも意外と対応可能な部分だと思うのです。
各弦の位置関係は見なくとも大体の位置が頭に入っている状態。こうした感覚的なものは思ったよりも容易く練習によって既に得られている感覚なのだと思います。
それでも何故、アルペジオは難しく、ミスをしてしまうのかと言えば、多くの場合練習を通じて得た自分の感覚通りに手が動かせていない(動かない)という状態に陥っているのではないかと考えられます。
どうしてそれが起こるかと言いますと、これまたスポーツと同じ。
肉体を思い通りに動かすには、それに見合った筋力的な力が必要だからであります。
つまり、ピッキング動作は幾ら上手でも、それとクロスオーバーして行われる”弦間移動に必要な力”が圧倒的に不足していると考えられる訳です。
これでは少々テンポが上がっただけで、演奏がグダグダになるのも当然です。

まずはその辺りを改善するために、例題を2つに分解し練習してみると良いかもしれません。
当然、ここで意識すべきはしっかり確実にそして素早い弦間移動。
他のスケール練習なども通じて弦と弦の間の感覚は身についている状態だと思いますので、あとはこの移動を素早く確実に行う意識をもって練習していくと良いと思います。
もちろん、素早く移動を意識し過ぎて余計な力が入ってしまうというのは、これまたミスの原因です。
無駄な力を使わず素早く移動。
併せて、どこまでテンポアップして繰り返し弾けるか。繰り返し練習してみると良いでしょう。

高音弦側も同様です。
こちらの場合には3弦から1弦に弦間スキップする際にアップピッキングから入った方が楽ではありますが、ここではあえてオルタネイトピッキングを固辞して練習してみて頂きたいです。
中には低音弦側と高音弦側でピッキングの感覚が変わるという方もいらっしゃるかとは思いますが、余程特殊なピッキングフォーム/アプローチをしていない限りは、低音弦側も高音弦側でも行う動作は同じ筈です。
素早い弦間移動を意識して繰り返し練習していく間にその違和感も無くなって行くのではないかと思います。
コードアルペジオというと大体ゆったりとした演奏というケースが多いのかもしれませんが、ゆっくり演奏していてばかりではなかなかこの弦間移動の筋力というのは養われません。
この辺りは素早い運指動作の練習などと同じで、早い動きを意識してこそ、その練習効果が現れやすいものだと思います。
さらに、テンポの速いアルペジオ練習とあわせて、ピッキングの強弱(タッチ)についても意識して練習すると、さらに右手動作の技術向上に繋がるのではないかと思います。
非常に地味な練習課題ではありますが、丹念にこなすことによって他のフレーズ演奏などの際にも必ず成果が現れてくると思います。
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