ギターを弾く上で知っておくとお得な楽典その107。
今回は、1つの楽曲が3つの和音で構成されているケース、所謂3コードロックについてです。
まず、伴奏が3コードで構成されていると聞いて、どんな和音構成を想像なさるでしょうか?
楽典の基礎的な部分を学んできた方であれば、当然そこには”トニックコード”、”サブドミナントコード”、”ドミナントコード”の3つで構成されている筈だと考えるのではないでしょうか。
例えば、曲の調性がCメジャーであれば、単純に”C”、”F”、”G”の3つ。
もちろんキーが変われば、”A”、”D”、”E”の三つなどなど。
単純にそのキーのI(トニック)、IV(サブドミナント)、V(ドミナント)の3コードで構成されているものだとお考えになるのではないかと思います。
ある意味これは、3コードロックの形として一つの正解。
しかし、サブドミナントコードやドミナントコードの代理を混ぜ込んだ3つという構成(例えば、I、II、Vなど)も当然あり得ます。
そう考えると、必ずしもI、IV、Vの組み合わせのみが3コードロックではないと言う事にもなります。
さらに言えば、ダイアトニックコードの中の”トニックコード”、”サブドミナントコード”、”ドミナントコード”を必ず揃えていなければならないかというと、実はそうでもありません。
例えばこんな3つコードの組み合わせ。

一応キーはCとして考えると、”B♭(VII♭)”というダイアトニックコード外のコードが含まれています。
これはどういうことなのかと言うと、スケールの導音を♭させた形、
ミクソリディアンスケールを基準に考えられた3コードという事であります。
(また、見方を変えて”F”が主音(Fメジャー)だと捉えると”F”、”B♭”、”C”は、I、IV、Vの関係です)
しかも、単純なC、F、G構成とは、また違った雰囲気が作りだせるのです。
3コードロックと言うと実に単純な曲と言った印象があるかもしれませんが、実は様々な組み合わせの3コードが利用されたりしています。
3コードと言っても、一つの形(組み合わせ)ではないのです。
ちなみに、音楽を大衆化したと言われる、楽曲としてもシンプルなイメージのパンクロックですが、数ある名曲の中に意外と3コードの曲はありません。
3コードだとしても、実はカバーであったりする場合が多いです。
(カバー元である、パンクよりももっと古い時代の曲の方が3コードであったりするのです)
パンクよりも新しい時代の名曲の中にも3コードの楽曲もありますが、単純に長調”トニックコード”、”サブドミナントコード”、”ドミナントコード”3つを使っている物は少ない様に感じます。
さらに、実はコード3つ以上が使われている曲でも、曲の骨子となる部分が3つのコードで構成されていれば、3コードなどと呼ばれているケースもあるようです。
一口に3コードロックと言いましても、シンプルな様で意外と奥深いものなのだと思います。
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