次に、原材料の差。
音響的に良いとされている材は、その希少性から自然と高価になります。
普通、木材は加工前に防虫の意味合いと、狂いを少なくする為に乾燥行程を経ます。
ある有名ギターメーカーでは良質な木材を徹底管理し、含有水分量○%とと言う明確な基準にまで念入りに乾燥行程を行なった後、加工に回すそうです。
そこまでこだわり抜いた材料で作られたギターは、当然高価になります。
それに加え、木目の美しさなどの要因で更に商品価値は上がって行きます。
加工の際にも、古くから使われるニカワが良いとされていて、一般的な接着剤を使わずニカワによる接着でくみ上げられた高級ギターもあります。
こうして加工されたギターは、塗装を施されるわけですが、そこでもまた高級ギターのこだわりが見られます。
安価なギターの多くがポリエステル塗装であるのに対し、高級ギターではラッカー塗装がなされている場合があります。
ラッカー塗装は、皮膜が薄く木地の美しさを出しやすい手法の一つだと言われています。
音響的にも良いとされているのは、ヴィンテージギターのイメージによる所かもしれませんが、確かにそういう意見を仰るギタリストやクラフトマンの存在があるのは確かです。
皮膜が薄いということは、ギターを組み上げる際の精度を上げれると言う効果も見込めますが、傷が付きやすいという特徴もあります。
更には、材料である木材が湿度の影響を受けやすく、ラッカー塗装のギターを保管する際には、細心の注意が必要でしょう。
後はもう見れば分かるのですが、高級ギターには高価な部品が惜しげもなく使われている事が多いです。
有名メーカーのパーツやら、自社開発のオリジナル部品。ロック式ペグから伝送系内部の部品に至るまで、こだわりのパーツで組み上げられているのが高級ギターです。
リプレイスメントパーツとして販売されているピックアップ、一つ数万円の商品があることを考えれば、拘りぬいたパーツ類をかき集めれば自然と高額になるのは当然でしょう。
最後に装飾的な差異。
高級ギターでは、その見た目を豪華にする為に様々な装飾が施されているものも増えます。
トップ材にトラ目の美しい木材を採用したり、ポジションマークの代わりに、天然の貝を使用したインレイを施すなど、高級家具を思わせるような一品も増えます。
デザインセンスと加工技術の高さも必要な事から、これら装飾加工も職人の腕の見せ所と言えると思います。
以上、ざっと挙げただけで、これだけ「高いのにはワケがある」と言う事が分かります。
高級ギターとはまるで縁の無い私ですが、こうした差異を考えながら改めて高価なギターを眺めてみると、ギターと言う楽器の奥深さを感じる事が出来ます。

ZEMAITIS/ S22MT 3S

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