気になるギタリスト62回目の今回は、先月惜しくもお亡くなりになった日本人ギタリスト「松原正樹」氏です。

1970年代バックバンドのギタリストとして活動を始めた松原氏は、セッション仲間と共にフュージョンバンド「PARACHUTE(パラシュート)」を結成(1979年)。
80年代初めまでに4枚のアルバムを発表しました。

メンバーには、後に井上陽水氏など大物ミュージシャンから若手まで、数多くのレコーディング/サポートで活躍するベテランギタリスト「今剛」氏や90年代バンドブームの火付け役となった伝説の番組「イカ天」審査員でお馴染みのパーカッショニスト「斉藤ノヴ」氏らが名を連ねていました。
メンバー各々が実力者という事で、その後「PARACHUTE」は解散しないまま、有名歌手やアーティストのレコーディング参加/サポートという形に活動をシフトして行きます。

松原氏はその後、他のバンド活動やソロ活動を交えながら、松山千春、寺尾聰、松田聖子、荒井由実(松任谷由実)など日本の音楽シーンを飾って来た数々の有名歌手の曲制作に参加。
松原正樹氏の名を知らぬ方でも一度は耳にしたことのある名曲。
それぞれの曲に数え切れないほどの有名フレーズを残して行きました。
2000年代に入ってからも「PARACHUTE」の活動を再開するなど精力的に活動を続けて来た松原氏。
近年ステージでも愛用するギターは、「MD Guitars」の「MM-Produce」でした。

「MD Guitars」は90年代後半「Metal Driver」ブランドを開発していたブランド。
価値ある楽器の開発を目指し、松原氏と共に開発されたのがこの「MM-Produce」なのだそうです。
特徴あるボディ形状と考え抜かれた全体の重量バランス。
長年、日本の音楽界を支えて来た松原氏のアイディアが詰め込まれたデザインになっています。

もともとフュージョン系のギタリスト松原氏が生み出したギターですので、Fホールの空いたセミホロウ/チャンバー構造のモデルが基本ですが、プロトタイプとしてストップテールピースのソリッドボディモデルなども販売されています。
ミュージシャンの為に考えられたプレイアビリティ。
ジャンルを超えた気になるオリジナルモデルと言えるのではないでしょうか。

当然、松原氏のシグネイチャーモデルなども生産されていましたが、こちらはMD Guitars公式に松原氏の逝去により2016/2/16日をもって生産を中止との告知がなされておりました。
その他の「MM-Produce」製品については販売継続の見込み。
松原氏が日本音楽界に残した名フレーズと共に、「MM-Produce」モデルも長く作られて行ってくれることを望んで止みません。
ゆったりとした動きの中にみせる正確無比な素早い押弦動作。
これぞ達人の域かと感じさせてくれる松原氏の演奏が見れなくなるのは非常に残念な思いがします。


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