世界には、様々なエレキギターが存在します。
時代の流行廃りに流されない不変的な王道デザインもあれば、全く新しいアイディアに基いた設計のギターが開発される事もあります。
エレキギターという楽器の可能性がある限り、その形態に決まりは無いと言える程です。
その中でも特に異彩を放つ、エレキギター界の異端児とも言えるギターがあります。
その名もSTEINBERGER。

まず目に付く特徴的なデザイン。
一般的にエレキギターのネック素材は木材ですが、STEINBERGERのネックはカーボンとグラファイトの合成素材。
この新素材ネック。理論上、反りは発生しないとされ、旧来品にトラスロッドは入っていませんでした。
更に、STEINBERGERと一目で分かる特徴的なヘッドレスデザイン。
ブリッジ側で調律を行なう構造の為、一般的なチューニングペグは必要無く、ヘッド部分は最小限の作りになっています。
こうした作りを成立する為にも必要なのが、STEINBERGER専用弦の存在。
STEINBERGERのギターは、ボールエンドが両端に付いたダブルボールエンドの専用弦を使っています。
特殊すぎる弦というのはユーザビリティの面で問題が大きくないか?と思われた方はいらっしゃるかもしれません。

STEINBERGER / GL6 String Adapter STADG06
当然そういった懸念に対応したアダプターが発売されていて、これらアダプターを使うことによって通常のギター弦が使用可能になります。
他にも、一般的なギターにあるはずのナットは存在せず、モズライト製のギター等で見かける0フレット仕様。
0フレット構造にすることによって、より低い弦高を可能にしています。
ピックアップは、早くからEMGのアクティブピックアップを採用、未来的イメージの風貌と合わせて、パーツの選定も先端志向だったと言えるギターです。
機種によっては、EMGに加えてピエゾピックアップも装備、音色表現の幅を広げています。
独自のアイディア、未来的なデザイン、新技術の積極的導入。
STEINBERGERのギターは、エレキギターの歴史の中で出来上がってしまった形を「旧来の既成概念」として打ち破ったギターだと言えるのかもしれません。
1980年代、STEINBERGERは、エレキギター界に新風を巻き起こした訳ですが、こうした野心溢れるギターは、その盛り込まれたアイディアに比例して高価なものでした。
以前は、HOHNER社がライセンス製品の廉価モデルを発売していましたが、現在は製造しておらず、中古市場で少し見かけるだけになってしまいました。

Spirit By Steinberger / GT-PRO STD WH
現在は、Spirit By Steinbergerといったシリーズの廉価モデルも販売されています。
しかしこちらは、新素材ネックではなく、従来の木材ネックです。
STEINBERGERの打ち出したエレキギターの新機軸は、世界のギタリストの興味を引く事にもなり、多くの著名な
ギタリストが使用した事でも有名になりましたが、完全なメインギターとして長期間使用しているギタリストが少ない為に、少し一般化し難かったとも言えるかもしれません。
ジョン・レノンや細野晴臣氏、渡辺香津美氏など、知的な大御所達が使用したイメージがありますが、私がSTEINBERGERと聞いてもっとも思い浮かべるギタリストは・・・
モト冬樹氏だったりします。

Marshall / MG15CFXMS

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