ここまで、
ドロップDチューニングと
オープンGチューニングという二つの変則チューニングを見てきましたが、今回は、その両方の良い所を併せ持ったような「オープンDチューニング」を取り上げてみようと思います。
先ずは、レギュラーチューニングからオープンDチューニングへの調律の仕方。

一・二・六弦をそれぞれ1音下げ、三弦を半音下げてF♯に、四弦・五弦はレギュラーチューニングそのままです。
五弦と六弦だけを見れば、ドロップDチューニングと同様の音程。
ドロップDチューニングの高音弦の調律を変化させたものだと考えられます。
オープンチューニングですから、開放弦はDメジャーコードの構成音(ルート D・3rd F♯・5th A)になっていますので、何も押さえない状態で弾けばDメジャーコードが鳴る事になります。
メジャーコードの押弦が楽になるという点はオープンGチューニングと同様です。

左は、レギュラーチューニングされたギターでFメジャーコード弾く際の押さえ方。
右側は、オープンDチューニングされたギターでのFメジャーコードの押さえ方です。
双方は、同音程のFメジャーコードです。
同一フレットをセーハしてやればメジャーコードが鳴る、と言う点はオープンGチューニングと同じですが、オープンDチューニングの場合は、ドロップDチューニングと同じく「六弦を1音下げた状態なので」より重低音な響きが得られるのが特徴です。
ドロップDチューニングもそうなのですが、ダウンチューニングを施すと一つの問題が生じてきます。
音程を下げると言う事は、弦のテンションが必然的に下がってしまうと言うことです。
ルーズな響きとして良しとするケースもあるでしょうが、あまりに弦のテンションが低い状態のギターは「弾き難い」という事態を招きます。
六本の弦全体で、あまりにテンションの違う弦が混じっているような状態も同様の弾き難さの原因になります。
ですから、極端な変則チューニングの場合には、弦のゲージの工夫も必要になってきます。
オープンDチューニングの場合ですと、高音弦はまだ目を瞑れても、低音弦のテンションの低さは弾き難いと感じるのではないでしょうか。
こうした場合には、六弦のみヘビーボトムゲージに弦を張り替える等の工夫が必要です。
全体のゲージを1ランクアップさせても構いませんが、四弦と五弦はレギュラーチューニングと変わりませんのでテンションは上がり、該当弦の押弦が辛いという事になるかもしれません。
テンションが上がったら上がったで「押弦のパワーアップに繋がる」と割り切って、1ランク上のゲージを使ってしまっても良いと思います。
最後に、オープンDチューニングで比較的簡単に押さえられるコードの例を挙げておきます。

オープンGチューニング同様、工夫次第で開放弦を交えたオンコードなど独特の響きを楽しめると思います。
低音弦はドロップDチューニング同様に使えますので、迫力のある低音リフやスピーディーな五度コードなども同時に使えるのが面白いところだと思います。
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