ギターを弾く上で知っておくとお得な楽典その55。
今回は、コード進行、コード変化により生じるインパクトについてです。
以前、
代理コードについての記事の中で、”共通の構成音”、”似通った響きを持ったコード”なんていう概念に触れました。

コード機能上”代理”として働くコードは、トニックやサブドミナントコードと共通のコード構成音を含み、響きが似ているので代理として作用するというお話です。
つまりは、似ている響きのコード同士の移行は、ゆるやかなコード進行と捉える事も出来る訳です。
逆に言えば、まったく構成音が違うコードへと変化すれば、”コードが変わった”感じが強く発揮され、曲中の流れにインパクトある転換点を付加する、曲に抑揚をつける効果があると言うことにもなります。

そういう点を踏まえ、まず最も変化の少ない、緩やかなコード進行は?と言うと、まったく同じ和音同士の連続がもっとも緩やかな進行と考えられます。
同じ和音が二度繰り返されるだけですが、一応これも和音進行。
オクターブが上がったりすればまた聞こえ方も変わりますが、基本同じコード(同じ転回系)であれば、進行的には弱いものとなります。
次に、同じコード、そしてボトム(最低音)も同じ、積み重なる上声音のみ違うコード。
同じ和音でも耳に付きやすい上声部が変化することにより、若干コード変化が起きたように感じられます。

さらに大きな変化を感じさせる為には、同じコードでもボトムが変化した形。つまりは
転回系。
和音構成音が変わらなくとも、ボトムが変わる事により印象も変わります。
これは、バンドアンサンブルでも言える事で、ギタリストが同じコードを弾いていても、ベーシストがベースラインを動かすことにより、立体的な躍動感を生み出す事が出来るのと同じです。
さらに大きな変化をもたらすのは、同機能の違うコードネームへの移行。つまりは代理コードへの移行です。
但し、先ほども言いました様に、代理コードには共通の構成音が含まれ、似たような響きを持つという特性がありますので、進行による変化自体は大きなものとは言えません。
コードの変化を出したい場合には、ボトムの変化や転回の仕方に工夫して使う必要があるかもしれません。
最後に上記よりも大きな進行変化を出せるのが、まったく違うコードへの移行。
単純に捉えて、コード機能の違うコード進行(トニックからサブドミナントへ~等)となります。
しかし、ここで注意すべきは、弱いコード進行がすなわち悪いという訳ではないという事です。
コード進行は曲(メロディ)を盛り立てる為に構成されるものですので、ある時は緩やかに、ある時はインパクトの大きな転換点を与えるといった様に、曲全体に抑揚をつける役目のも大切です。
コード機能を考慮に入れたコード選定から始まり、構成音の在り方(転回、ボトムの変化)を含むコードチェンジによりどれだけコードが変わった感を演出するか、を考えコード進行を組み立てると今ある曲がより印象的なものへと変えられるかもしれません。

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