レギュラーチューニングとは違う変則的なチューニングのご紹介。
今回の変則チューニングは、ギターの開放弦の響きを積極的に取り入れたようなチューニング法2種類です。
今までご紹介しました変則チューニングよりもかなりバランスを崩したチューニング法なので、弦のゲージ変更が必須となります。
先ずは異弦同音チューニングとでも言いましょうか、2オクターブにわたって同じ音が鳴るチューニング法です。

大胆にも全弦Dに合わせる方法です。
当然、弦のテンションに問題が発生してしまうので、張る弦に工夫が必要です。
一弦と二弦は、一弦用の.009。
三弦と四弦は、四弦用の.024。
五弦と六弦は、六弦用の.042。
このようにそれぞれの弦のゲージを変更します。
張るゲージ自体を変える必要があるので、とっつき難いチューニング法ではありますが、その響きは独特で使い方によっては非常に面白い効果を得られます。
具体的な演奏法としては、同一フレット上をセーハすればオクターブ違いの同一音がなるわけですから、より音域の広いオクターブ奏法のような使い方や、一弦・二弦でフレーズを弾きながら低音源をベースのように弾く/掻き鳴らすといった方法です。
この例ではD音に合わせていますが、別にEでもCでも構いません。
しかし、其の場合はまたゲージを調整してやる必要があります。
幾らなんでも開放が単一音ばかりでは・・・と言う場合には五度コードの関係にチューニングする方法もあります。

アメリカのグランジロックバンド、サウンドガーデンが利用していた事でも有名なパワーコードチューニングです。
五弦・六弦のE音に対して残りの弦が完全五度上と其のオクターブ上のB音に調律されています。
開放弦を鳴らしてやれば、自然と五度コードになるという仕掛けです。
これもまた、張る弦に工夫が必要になります。
一弦と二弦は、二弦用の.011。
三弦と四弦は、五弦用の.032。
五弦と六弦は、六弦用の.042。
といった具合の構成にするとテンションは安定するかと思います。
こちらのチューニング法は、同一フレットをセーハしてやれば五度コードが鳴るという事なので、ドロップチューニングよりも音域の広い五度コードが簡単な押弦で演奏可能と言う特徴があります。
とやかく言うよりも「ワイルドに掻き鳴らす」といった使い方が効果的かもしれません。
上記のケースでは、六弦からE・E・B・B・B・Bという配置になっていますが、要は各弦が五度コードの構成音になっていれば構わないわけですから、E・E・B・B・E・Eなど色々なパターンでの変則チューニングも可能です。
そうするとまた弦のゲージの工夫は必要になりますが、若干違う響きにもなり、また少し違った面白い効果が期待出来ます。
どちらの場合も、ここまで変則的になってしまえばギター自体のセッティングを見直す必要も出てくるでしょう。
気が向いたらパッと試してみるというのは難しいかもしれません。
ですが、曲のイメージや方向性に躓いた時などに試してみると、意外と面白い結果を生み出す結果になるかもしれません。
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