知っていると、少しだけためになるかもしれない小技。
今回は、ロックギターのテクニックとしてかのエドワード・ヴァン・ヘイレンが世に広め、今や様々な形のテクニックとして定番化したといえるライトハンドタッピング(ライトハンド奏法)についてです。
一番基礎的なライトハンド奏法は、該当弦/フレットを左手で押さえピッキング→左手の指でハンマリングやプリングを交えながら右手人差し指や中指で指板上の該当フレットをタッピング(叩く)という動作です。
こうした動作を和音構成音やフレーズとして素早く繰り返し行う事で、高速のアルペジオや印象的なフレーズとして特徴のある音を出す技術です。
普段ピッキング動作が主の右手でフレットボード上を叩くという特殊な動作が入るために、見た目にもインパクトのある演奏技術だと言えます。
このライトハンドタッピング、滑らかなフィンガリングでテンポの狂い無く、音が途切れない様に演奏するというのが肝要な部分だと思います。
左手に関しては、フィンガリングやハンマリング/プリング技術の向上と言う点で通常のギター演奏と然程変わりは無いと言えます。
問題は、普段あまり行わない右手指で指板を叩くという動作です。
いきなりタッピングから入る様なフレーズも有りますが、ピッキングをしてからタッピング動作に入ろうとすると邪魔なのがピックです。
瞬時にピックを中指や薬指の腹辺りに持ち替え、人差し指でタッピングをするパターンやピックを持つ手はそのままに、中指や薬指を使ってタッピングをするパターンとが有ります。
これらはどちらも練習が必要な事に変わりはありませんが、各々がやりやすい方法で構わないと思います。
もう一つの注意点としては、右手タッピングの安定性を上げる為に、右手を置く位置を考える必要があるという事です。
手首をフレットボード上に置く様な方法や、右手親指を六弦側ネック上部に引っ掛けるように持つなど安定的なタッピングをする為に考慮する必要があります。
そして最後に、実際にタッピングする際にちょっとした小技というかコツがあります。
指板を叩けば音は簡単に鳴りますので特に難しい事は無いと思います。
あえて言うならば、ピッチ安定の為に強く叩き過ぎない事と該当フレットに近い位置を叩く様にする事です。
そうして出た音を今度は左手に繋いで行くわけですが、ここにライトハンドタッピングの肝があります。
叩いた右手指をただ離すのではなく、弦に引っ掛けるように離す事です。
右手の指でプリングしてやる様な感覚ですね。
こうする事で音の減退を防ぎ、途切れの無いライトハンドタッピングが可能となります。
時と場合によって、上方向(六弦方向)に右手指を引っ掛けたり、下方向(一弦方向)に引っ掛けたりと使い分けられると良いと思います。
この動作を入れる事によって、然程ゲインの高くないセッティングでもライトハンドタッピングは可能になります。
長い小節に亘ってライトハンド奏法を駆使するギタリストは、こうしたちょっとしたテクニックを入れる事によって滑らかなフレーズを可能にしているのですね。
チョーキングとライトハンドタッピングを複合させたテクニックやスウィープピッキングとの複合、更には両手指を駆使するエイトハンドタッピングやネック上から左手を回すボスハンドタッピングまで、どんなタッピングであろうともこの右手指を引っ掛けると言う小技は大事な事なので覚えていても損は無いと思います。

Washburn / WIN14 Flame Trans Red

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