エレキギターデザインの流行。
GibsonレスポールやFenderストラトキャスターの様に時代の流れに左右されない王道的デザインのギターもある一方で、その時代のトレンドや人気となったギタリストの影響がギターのデザインや機能に反映されたりする場合もあります。
1980年代。パンクムーブメントに押され気味であったハードロックが再び流行の兆しを見せ始め、アメリカンハードロックと言われるバンド達が一大ブームとなりました。
ヴァン・ヘイレン、ボン・ジョビ、モトリー・クルー。
そのド派手なイメージは、当時のギターデザインにも大きな影響を与えました。
ハードロックをやるなら○○といった具合に、ハードロックに特化したイメージのギターブランドも登場し、あるブランドでは変形ギターを得意とし、またあるブランドではハードロックギターとはこう有るべきといった特徴的な製品を市場投入し人気となりました。
そんな、ハードロックといったイメージのギターブランドの一つに「KRAMER」が挙げられます。
かのエドワード・ヴァン・ヘイレンが愛用した5150と呼ばれているギター。
ヘッドには、当時契約していたKRAMERのロゴ。
KRAMERブランドから「エドワード・ヴァン・ヘイレン」シグネイチャーモデルも発売され、「KRAMER」のブランドネームを世界中に知らしめる事となりました。
KRAMERのブランドイメージはド派手なハードロックそのもの。

KRAMER / The '84 Baretta Black with Red Bullseye
ハードロックギターは目立ってナンボと言わん限りの派手なペイントのギターが数多く産み出されました。
そんなハードロックイメージの強いKRAMERもハードロック人気が下火になるにつれ低迷。
90年代には、KRAMERブランドは破綻。
時代の寵児はハードロックのブームが去っていくと共に一時姿を消す事になってしまいました。
しかし、KRAMERのブランドは完全に消えたわけではありません。
エレキギター界の巨人、Gibson社によって子会社化され、KRAMERブランドのギターは存続する事になったのです。
こうして現在でもKRAMERブランドのギターを店頭で見る事が出来る訳ですが、ハードロックイメージの強いブランドネームを老舗Gibson社はどう扱うのかと興味が沸きます。
ですが、其の辺りは多数のブランドを傘下に納めてきた大手メーカーGibson。
ブランドネームの取り扱いを間違うような真似はしません。

KRAMER / Striker 211 Trans Purple
KRAMERブランドとしては入門者向けのStriker211。
今やH-S-Hのピックアップレイアウトが当たり前になった感がありますが、こちらは80年代を感じさせるS-S-Hレイアウト。
あえてのメイプル指板。目立つインレイ。
ボディカラーは鮮やかなパープルと派手な印象です。
このギターが似合う日本人がどれくらい居るかは別として、時代が流れてもブレることの無いブランドイメージを打ち出しているのはお見事です。
この入門機種はハードテイルですが、少し上位機種になれば80年代に世を席巻したフロイドローズトレモロ搭載のモデルも当然ラインナップされています。
ハードロック世代のおじさんならまだしも、今の若者にどれだけ受け入れられるか心配になるようなルックスですが、KRAMERブランドのスピリットが今も生き続けている様な気がして少し嬉しくなるようなギターですね。

KRAMER / Pacer Vintage Orange Tiger

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