知っていると、少しだけためになるかもしれない小技。
今回は、ギターアンプの製品紹介などを見ているとよく見かけるワード、”クラス(級)”について取り上げてみたいと思います。
一昨日取り上げました「
Blues Cube Hot British EL84 Modified」の商品説明にも「EL84 真空管搭載の”クラスA サウンド”と呼ばれるブリティッシュコンボ~」等という紹介のされ方をしています。
ギター用アンプリファイの仕様書を見ると、”クラスA(A級)”や”クラスA/B”という表記をよく見かけるものですが、このクラスとは一体何を表しているのか?
ざっくりとではありますが、そのあたりのお話をしたいと思います。
このクラスを単純に説明すると、アンプに入力された信号の増幅させ方の違い。
少々難しい言い方をすると「動作点」の違いと言われますが、入力信号のどの部分を増幅するか。どう増幅するかの違いになります。
当然、クラスが違うと内部回路も変わってくる訳ですが、奏者としてはそれよりもサウンド的にどんな違いが生まれるかの方が気になるのではないかと思います。
そこで先ずは、クラスAアンプから。
これはトランジスタや真空管を用い信号を増幅する最も基本的な回路です。
特徴としては音の立ち上がり早く歪み難い。
Fenderのヴィンテージアンプなどが例としてあげられます。

シンプルな回路で高音質とアンプの理想の様にも思えるクラスAアンプですが、しかし弱点もあります。
動作特性上、常にアイドリング電流を流している必要があり(音の立ち上がりが早い理由)、それに伴い真空管の損耗が激しい/寿命が短くなる傾向があります。
また、発熱も大きく、大きな出力を得られないマイナス面もあります。
そこで、この弱点を克服しようと開発されたのがクラスBです。
このタイプは、真空管2本をペアで動作させ(プッシュプル方式)、使用していない方の真空管を休ませる事で寿命を延ばす工夫が取り入れられています。
アイドリング電流を抑える効果も見込める上、発熱も抑えらえます。
クラスAよりも大出力が得られますがこれまた弱点もあり、真空管が切り替わる際に若干の音ズレが発生してしまったり、音の立ち上がりが悪いというマイナス面もあります。
”音の立ち上がり”という要素が重要視されるギターアンプにとって、クラスBは不向きだとされている理由であります。
そして、特徴の異なるクラスAとクラスB、双方の良いところを取り混ぜて開発されたのがクラスA/Bです。
クラスAの高音質とクラスBの大出力を併せ持ち、音の立ち上がりもなかなか。

Mashallに代表される大出力アンプの多くがこのクラスA/Bを採用しています。
この他にもクラスCやクラスDなど他のクラスもありますが、エレキギター用途として一般的ではありません。
エレキギターにとってサウンドを決める大きな要素であるアンプリファイ。
余裕を持った出力というのも一つの考え方。
あえて小さなアンプを最大出力で鳴らすという考え方が出来るのもこうしたクラスの違いからくる差異への拘りでもあります。
メーカーや出力、搭載されている真空管の種別などで選択するのももちろん構いませんが、より理想の形を求めるならば大きさや出力に加えクラスにも注目してみると更に理想のサウンドへと近づけるかもしれません。
最近はデジタルモデリングのアンプリファイも増えましたので、以前よりもクラスを気にしない方も増えてはいるかと思いますが、それでもクラス選択機能を搭載したモデリングアンプが有ったりもしますので、そういった機能の活用含めて知っておくとアンプ選びの楽しさが増すのではないかと思います。

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