ギターを弾く上で知っておくとお得な楽典その7。
前回、コード(和音)の種類について書きましたが、楽譜を見ているとC/EやFonGなどの表記を見かける事もあると思います。
これらは、分数コードやオンコードと呼ばれるものです。
今回は、これら分数コードやオンコードを見て行きたいと思います。
例えば、C/EやConEは表記が違うだけで同じコードを表しています。
どちらも特定のボトム(最低音)を指定しているという意味です。
この場合、最低音はEで其の上に通常のCメジャーコードが乗っている形を指定している事になります。

例えば、ギターでC/Eコードを弾くとすると、こんな感じになると思います。
E音がボトム指定になっているので、六弦開放のE音をボトムとして利用した形です。
しかしここで、気になる点が一つあります。
Cメジャーコードの構成音は、ルート・C、3rd・E、5thGと言う構成です。
そう考えるとボトム指定されたE音は、元々Cメジャーコードに含まれる音だということになります。
つまり、和音の転回という考え方を適用すれば、CもC/Eも同じコードだと言えます。
ならば何故、あえてC/Eと最低音を指定するのか?
これはもう、ギターコードとしての形を詳細に表記しただけか、奏者の拘り(Eがボトムの響きが必要)か、前後のコード進行の効果をより明確にするための表記/解釈でしかありません。
バンド形態で考えると、ベーシストが常にルートを弾いているとも限りません。
コード進行に従って、和音構成音を利用しフレーズとして弾いているかもしれません。
其の場合、アンサンブルとして部分的にボトムが変化していると解釈する事もできますが、其の度に一々オンコードの形で詳細に表記しないのが普通です。
では次に、F/Gの場合を見ていきましょう。

今度はG音がボトムと指定され、其の上にFメジャーコードが乗っている形です。
Fメジャーコードの構成音は、ルート・F、3rd・A、5th・Cですから、ボトム指定されたG音は含まれていません。

次に上記図を見てください。
これはFadd9コードの例です。
add9(アドナインス)ですから、Fメジャーコードの構成音F・A・CにG音が付加されています。
これを転回させれば・・・御明察。
Fadd9とF/Gは同じコードだという事です。
つまり、分数コードやオンコードと呼ばれるコードは、なんらかの和音(三和音・四和音・テンションコード)の転回系であり、特にボトム音を指定したい場合などに使われる表記だという事です。
しかしながら、和音は其の転回系の差異、構成音の数や音程分布によって、微妙な響きの変化を生み出すものです。
同じコードでもボトム指定をする事によって導き出される響きの違いを、作曲者や奏者が追及している場合もあると言うことですね。

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