ギターを弾く上で知っておくとお得な楽典その8。
ここまで、
ダイアトニックコードや
和音の種類と言ったものを見てきましたが、今回は和音の機能/性格というものについて見ていきましょう。

ハ長調(Cメジャースケール)上のダイアトニックコードは上記図の様になります。
このうちのメジャーコード三つ、Ⅰ・Ⅳ・Ⅴのコードが主三和音。
残りのマイナーコード(Bマイナーは♭5th)四つ、ⅱ・ⅲ・ⅵ・ⅶのコードが副三和音と分類されます。
主三和音の三つのコードは、其の性質によって更に細分化されます。
Cメジャースケールのダイアトニックコードの場合、
ⅠのCメジャーコードは、トニック(トニックコード)
ⅣのFメジャーコードは、サブドミナント(サブドミナントコード)
ⅤのGメジャーコードは、ドミナント(ドミナントコード)になります。
それぞれの性質を見てみると、
Ⅰ・トニック → 落ち着いた響き。流れの中で安定感を感じさせる。
Ⅳ・サブドミナント → 主和音(トニック)方向への動きを作る(不安定感を作る)。
Ⅴ・ドミナント → 主和音(トニック)方向へ強い不安定感を作る。
と言った性質になります。
こういった各コードの性質を考慮し、和音進行(和音の流れ/コードチェンジ)が組み立てられます。
主三和音それぞれの関係性を図に表すと、

このうち、ドミナントからトニックに移行する流れを特にドミナントモーション(ドミナントの解決)と言います。
ハ長調で言うならば、Gメジャーコード(正確にはG7)からCメジャーコードへの移行です。
これは、ドミナントコードによって生み出された強い不安定感を、主和音であるトニックコードに移行することで安定感を得て解決する形と言えます。
曲の中で一段落つくような場面や、曲の終わりなど、必ずといって良いほど利用される和音進行です。
一方、ドミナントからサブドミナントの流れはと言うと、
ドミナントコードで生み出された強い不安定感は、トニックコードに移行し安定感を得たいと言う自然な欲求を聞き手に与えるとも言えます。
これをまた、不安定なサブドミナントに移行されると聞き手は期待を裏切られた印象になるわけです。
まったく使われない和音進行ではありませんが、例外的な進行であると覚えておくと良いと思います。
このように主三和音には特性があり、これら主三和音だけでも伴奏は可能なわけですが、残り四つの和音、副三和音の役割が気になるところです。
副三和音もそれぞれ、トニック、サブドミナント、ドミナントの機能を持っていて、主三和音の代理として利用されます。
使う場面や和音の種類、転回の仕方によって其の機能は変わると言えるのですが、大まかに言うと、
トニックの代理 → Em・Am
サブドミナントの代理 → Dm
ドミナントの代理 → Bm-5
となります。
これら代理コードは、ロックやポピュラーミュージックで当たり前の様に使われています。
主三和音だけでの伴奏では、どれも似たような和音進行になってしまいます。
こうした代理コードや時にはダイアトニックコード以外の和音を利用して曲に彩りを付けているというわけですね。
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