気になるギタリスト76回目。
これまでキャリアの長いレジェンド級のギタリストを取り上げる事の多かった当記事ですが、今回は比較的新しい世代のギタリストを取り上げてみようと思います。
そのギタリストとは、2000年代に入ってから活躍を始めた「The Black Keys」のVo兼Gt、「ダン・オーバック」です。

まずこの「The Black Keys」というバンドですが、バンドというよりもユニット。
メンバーはダンとドラムスの「パトリック・カーニー」2人だけというロックユニットです。
今から15年前、2002年にデビューした彼らは、おおよそ2000年代のロックとは思えぬ楽曲/サウンドで注目を集めました。
ある意味ローファイに聞こえるダンのボーカル。
古き良き時代のロックを感じさせるギターリフやそのサウンドメイク。
2000年当時にはハイカラな物になってしまっていたロックミュージックを本来あった姿、その源流へと呼び戻すかのような曲達を彼らは製作していきました。

往年のロックの名盤、名曲達がごちゃませになったような彼らの音楽。
ルーズでサイケデリックな雰囲気や今時のギタリストならば敬遠してしまう様なゴリゴリのファズサウンド、昔ながらの鍵盤の絡み。
悪く言ってしまえば古臭いロックですが、あの時代の熱さを思い起こさせる「The Black Keys」のスタイルは今の時代だからこそ尚求められるものだったのかもしれません。

事実、売り上げ100枚を超えるアルバムを連発した彼らは、グラミー賞にも多数ノミネートされ、2011年発表のアルバム「El Camino」が”最優秀ロックアルバム”賞を受賞するなど、今やその人気、実力共に高く評価される存在となりました。
そんな「ダン・オーバック」の使用するギターは、GibsonやFenderといったメジャーなものの他、「
Danelectro」や「
Supro」などの歴史的メーカーの楽器を使用しているのも印象的です。
そういった機材もクラシカルな雰囲気のロックを奏でる彼にとって重要なアイテムなのだと感じさせます。
決して今時ではないにも関わらず、彼らの音楽は極最近の映画のタイトル曲にも採用されるなど、今やその人気を不動のものとしています。
常に新しいものを追い求めるのがロックだという概念に一石を投じる彼らのスタイルは、今この時代に輝くロックンロールの姿であると思います。
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