気になるギタリスト77回目。
今回とりあげますギタリストは少々変わった活動を続ける人物。
変わったと言いましても、現在のインターネットが普及した世の中からすれば、特に不思議のない形なのかもしれません。
彼の名は「エリック・モングレイン」。
カナダ出身のギタリストです。
彼は一体何が変わっているのか?これまでの世界のギタリストとは何が違うのか?と言えば、今や社会現象とも言えるインターネット動画サイト「YOUTUBE」を積極利用して作品を公開し、インターネットのダウンロード販売を通じてアルバムをリリースするというまさに現代型のギタリスト/アーティストなのであります。

なんだ、そんな人間なら今や珍しくもないではないかと思われてしまうかもしれませんが、彼が特に注目を集める理由は、やはりその作り出す音楽の素晴らしさとこれまた少々珍しいギター奏法にあるからです。
エリック・モングレインが得意とするのは”ラップタッピング奏法”と呼ばれる手法で、これはアコースティックギターを膝の上に寝かせて置き、両手でタッピングを行うという特殊な演奏方法です。
当然、指板は水平状態ですので、ある意味スチールギター演奏に通じるものもありますが、もちろんピックは使いません。
タッピング(ハンマリング)、プリングなどを巧みに操り、時に弦をかき鳴らし、ボディーを叩いて打音を交える等、非常に表現力豊かな演奏を披露します。
楽器は人間が使うものですので、作られる段階で一応の使い方、使用形態というものは考えられているものでありますが、それとは異なる使い方での演奏。
彼の演奏を見ると、たとえ基本とは違う使い方でも、修練を積めばここまで見事な演奏が可能になり、素晴らしい音楽を生み出すことが出来るものなのかと唯々感心させられてしまいます。
今や、世界中で有名になったエリック・モングレインですが、元々はストリートミュージシャンとして活動を始めた為、現在でも路上での活動を続けていたりもするそうです。
どこか幻想的な雰囲気とすら感じる彼の音楽。
インターネットにより世界に広がったその才能。
さらなる今後の活躍が期待される、(活動もその演奏スタイルも)新しいタイプのギタリストであると思います。
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