ギターを弾く上で知っておくとお得な楽典その63。
今回も前回に引き続き、和音の中の重要な音同士を展開させたらそれ何度?という内容の続きです。
前回はメジャーセブンスの重要成分3度と7度を抽出してみましたが、今回はコード進行の中で重要な役割をもつドミナントセブンスコードの3度・7度を見てみたいと思います。

メジャーセブンスとドミナントセブンスコードは何が違うかと言えば、メジャーセブンスの7度音が半音下がっただけという差であります。
根音・長三度・完全五度・それに短七度を加えたのがドミナントセブンスです。
C7の場合ですと、C・E・Gのメジャートライアドに、A♯(B♭)が加えられた形となります。

このドミナントセブンスコードの中から重要な役割を持つ3度と7度音を抽出してみるとこんな形。
E音とA♯(B♭)。
前回メジャーセブンスから抽出した3度・7度が完全五度関係でしたので、そこから7度音程が半音下がったドミナントセブンスの場合には当然、抽出した2音の音程差は減五度(
増四度=トライトーン)の関係となります。
これは、E音とA♯音を展開させても同じ。減五度関係となります。
ロックギターの上で良く聞きなれている完全五度関係のパワーコードと比べると、減五度関係の2音がもたらす響きは非常に不安定さを感じさせる物だと思います。
安定した響きのコードへと移行したいという志向性をこのドミナントセブンスの中の重要な2音(トライトーン)だけでも感じられるものだと思います。

さて、こんなコードの中の重要な役割を持つ音とその関係性を最重要視すれば、五度音程を省略(omit)した形も考えられる訳です。
上記左の様な省略コードは、ロックやブルースなどで良く使われる形と言えます。
五度音程まで加えたドミナントセブンスとはまた聞こえ方が違うのが面白いところですが、これも十分にドミナントセブンスの代用として利用出来る音の組み合わせです。
この最小限の3音をアルペジオで弾いてみてもまた違った感覚が味わえるかと思います。
縦の積み重ねだけでなく、根音と3度・7度を分離し、横に動かしてみるのもまた違った聞こえ方がする音/和音の不思議が感じられると思います。
- 関連記事
-
スポンサーサイト