知っていると、少しだけためになるかもしれない小技。
エレキギター入門書などで頻繁に見かけるオルタネイトピッキング。
~をオルタネイトピッキングで~なんてピッキングの仕方や方向を指示してあるTAB譜を良く見かけます。
今回は、そんなピッキング方法の指定、オルタネイトピッキングについてです。
先ず、オルタネイトピッキングをおさらいしてみると、一定の譜割においてダウンピッキングとアップピッキングの繰り返しを行う方法で、弦移動を挟んだ場合にもダウンアップのパターンを崩さないようピッキングする方法です。
休符を挟む場合にも、ブラッシングや空振りを交え、ダウンアップのパターンは崩さないようにします。

簡単なTAB譜で確認してみると、オルタネイトピッキングの場合、五弦はアップピッキングからスタートとなります。
六弦10フレットをダウンピッキングの後、五弦7フレットをアップピッキングというアウトサイドピッキングが挟まる事となります。
対して、エコノミーピッピッキングでは、弦移動の際に任意のピッキング方向で弾いていく手段です。

右手を下にずらす感覚と呼応させて、五弦ダウンピッキングから入るエコノミーピッキングの例です。
この場合、六弦10フレットダウンピッキングから五弦7フレットダウンピッキングと下方向のピッキングが連続する事となります。
ここで、オルタネイトピッキングの優位性というものを考えてみましょう。
一定のテンポにあわせて、ダウンアップを繰り返すわけですから、ストレートノートの譜面を正確に演奏し易いという利点があります。
テンポキープが比較的し易いピッキング法だと言う事ですね。
ですが、オルタネイトピッキングに慣れて居ない場合には、逆にテンポが狂うと言う方もいらっしゃるかと思います。
何故ならば、オルタネイトピッキングをキープしようとすれば、先ほどのように弦移動の際にアウトサイドピッキングになる場面も出てくる訳で、こうした弦移動の際に「どの弦でも」「上下どちらからでも」正確にピッキング出来るように訓練しなければならないからです。
其の点、エコノミーピッキングでは、やり難いアウトサイドピッキングは回避してしまえば良いだけですから、弾き易いと感じる事となります。
ダウンピッキングの連続も訓練次第でなんとなくリズムを崩さない様出来るでしょうし、無理に苦手なアウトサイドピッキングをする事もないのではないか?なんて思われるかもしれません。
第一、エコノミーピッキングの方が、早いフレーズに対応し易いではないかという声もあるかと思われます。
事実、早いフレーズを弾くギタリストがエコノミーピッキングを頻繁に使っている場面を良く見かけます。
右手の運動量を考えてみると、アウトサイドピッキングは運動量が大きく、右手負担が大きくなります。
エコノミーピッキングではアウトサイドピッキングを使わないと言うわけではありませんが、時と場合により最小限の運動/右手負担で済むように任意にピッキングしていくわけです。
効率的であり右手に対し文字通りエコノミーです。
こうして考えると、エコノミーピッキングが出来ていれば、あえてオルタネイトピッキングやアウトサイドピッキングを練習する必要など無いのではないか?と思えて来ます。
では、何故教則本などでオルタネイトピッキングを練習課題とする事が多いのだろうか?
感の良い方はもうお気づきですね。
初心者泣かせと言えるオルタネイトピッキングの特徴。「右手運動量が多い」「右手負担が大きい」これが重要です。
右手ピッキング動作の訓練に、これ程優秀なものは無いと言う事ですね。
何時までも楽なエコノミーピッキングだけを練習していては、上達するのにも時間がかかってしまいます。
右手負担の大きいオルタネイトピッキングが自在に操れる様になれば、エコノミーピッキングを利用する場合でも、より早く正確にピッキング出来るようになる筈です。
加えて、アウトサイドピッキングの際の右手の運動は、他のギター演奏時の右手動作と関連性があります。
どうしても弾けなかったリフが、アウトサイドピッキングの鍛錬を積んだら弾けるようになったという事もあるかもしれません。
何の気なしに弾く場合エコノミー派だという方も、練習時には意識的にオルタネイトピッキングで弾く練習を積むと、また一歩ピッキング動作の上達に繋がると思います。
オルタネイトピッキングでの練習を推奨する先人の教えは、間違ってはいないという事ですね。

SELVA / SST-601 STYLE3

楽器総合小売店の石橋楽器!
- 関連記事
-
スポンサーサイト