今や、エレキギターデザインの一つの形として定着したGibson Firebird。
1957年に同社が市場投入した
新型ギター達は、あまりに時代を先取りしすぎたデザインであった為か、発売当初は市場人気を得る事が出来ませんでした。
その事態を打開する為に開発された新型ギターがファイアーバードでした。

Gibson Custom / 2014 Japan Special Run Limited 1965 Firebird Stop Tailpiece VOS Ebony S/N 040095 
何処かギブソンらしさを残しつつも、スルーネックやミニハムバッカーの採用と、新しい発想で組み上げられたギターでした。
Gibsonフューチュラ/エクスプローラーを思わせる特徴的なボディデザイン。

ベースギターも同様のボディデザインの機種が発売され、こちらはサンダーバードと名付けられました。
スライドギターの名手、ジョニー・ウィンターがファイアーバードを愛用した事もあってその印象が強いファイヤーバード。
期待の新型として市場投入されたものの、生産効率を追い求めるライバルFender社とのシェア争いに苦戦します。
コスト面での見直しを迫られたGibson社は、ファイアーバード発売から五年後の1965年、ファイアーバードの大胆なモデルチェンジを行います。
後にノンリバースと呼ばれる事となる新型ファイアーバードの誕生です。

Gibson USA / Firebird Non-Reverse Japan Limited Ebony 【日本限定モデル】【S/N:150056637】
新型ファイアーバードは、表裏を反転させた様なボディデザインが特徴で、全体的に丸みを帯びたシェイプに変更されています。
コスト削減の為に、大型のピックガードを装備し、ピックアップのピックガードマウントを採用した他、ネック接合方法もスルーネック方式からセットネック方式に変更されました。
多くがミニハムバッカー搭載の旧ファイアーバード(リバースモデル)と違い、ノンリバースモデルの新型ファイアーバードの多くがP-90シングルコイル搭載。
この為、リバースモデルとノンリバースモデルは見た目の違いだけでなく、音色も違うギターとして生まれ変わる事となりました。
こうして、大胆なモデルチェンジを経て生まれ変わったファイアーバードですが、ライバルFender社の牙城を崩せる程の人気を得る事は叶わず、1969年には製造中止となってしまいました。
時代は流れ、フライングVなどと同様に復刻を望む声の高まりと共にリバースモデルのファイアーバードが再生産され、数多くのコピーモデルも生産される等、今ではGibson社を代表するデザインの一つとなりました。
何処か無骨な印象のファイアーバード。
熱狂的愛好家が居るのも頷けますね。

Gibson USA / Firebird 2017 T Vintage Sunburst (VS)

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