ギターを弾く上で知っておくとお得な楽典その71。
またまた世界の音階に目を向けてみたいと思います。
今回はインドネシア音楽に使われる音階です。
インドネシア音楽に使われる音階は、ペンタトニックスケールと同じ様な”5音音階”。

ただし、ペンタトニックスケールとは当然音程の間隔(並び)が異なり、こんな形となります。
構成音は、C・C♯(D♭)・D♯(E♭)・G・G♯(A♭)。
実際に弾いていただきますと、どこかエスニックと言いますか、南の方の土地なんだなと感じさせる様な独特な雰囲気を漂わせる音列に聞こえます。
インドネシア音楽では、この他にも幾つか微妙に構成音の異なるスケールが利用されているそうですが、そのどれもが5音音階。
その中でも特に上記音階をとりあげましたのにはある理由があります。

このスケールの第六音、G♯(A♭)を主音として捉えますと、各音程の関係は、2全音・半音・全音・2全音・(半音)。
これをC音を主音として考えると、C・E・F・G・Bという音階になり、つまりこれは”ニロ抜き長音階”、沖縄音楽に使われる琉球音階と全く同じ物となるのです。

このインドネシアの5音音階をA音スタートかつシャッフルリズムで適当に弾いてみますと、まさしく琉球音楽的なそれになります。
これを当たり前と考えるか不思議なものだと考えるかはその人次第でありますが、距離の離れた土地同士で同じ構成音の音階を利用しているのですから、人類の歴史ロマンがあるとも考えられると思います。
音階的には同一でも、この音階を利用する楽器が土地ごとに違いますので、完全に同じ印象とはなりませんが、インドネシアと琉球音楽は何処か似通った雰囲気を感じさせるものがあります。
演奏する楽器が違えば、また別の音楽として聴けるというのも音楽の面白いところです。
さて、特に難しい音列というわけではないこの5音音階ですが、ギターで弾いてみようとすると案外難しく感じたりするものです。
メジャースケールの第2・第6音を抜いただけなのにも関わらず、演奏は困難に感じるかもしれません。
つまりは、良き練習課題になるという訳ですので、運指練習に取り入れてみると面白い課題になると思います。
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