以前ご紹介した、私所有の
Bill Laurence TRIGGER-Ⅱというテレキャスタータイプのギター。
小さい写真で見ると小奇麗に見えますが20年程前のギターで、私の扱いも悪かった事から相当なボロであります。
若気の至りで何度もリペイントされたボディは、塗装の薄くなった箇所があったり、複数の塗装剥離箇所や打痕だらけの状態で酷い有様です。
トラスロッドを一杯に回してもやや順ゾリという厳しいネック状態でしたが、弦を張らない状態で部屋の隅に置いておいた所、運良くネックの状態も随分落ち着いて来た様です。
恐る恐る弦を張ってみたところ、どうにか使えそうな状態になっていました。
とは言え、各部に亘り不具合のオンパレード。
もし仮に中古ギターとして売ろうとするならば、状態としては最悪の査定を受けるでしょう。
そんなボロボロのBill Laurenceテレキャスターですが、随分と長い事私の手元にある一本ですから、どうにかギターとしてしっかり鳴る状態にしてあげたいと思います。
”ギターとしてしっかり鳴る”事が目的ですので、今回はリペイント等のボロな見た目の補修は考えていません。
弦を張ってみた所、ハイフレット部位で弦がフレットに干渉している部分が幾つか見られました。
反りの酷いネックを帳尻合わせするかのごとく、無理に調整して使っていた結果でしょう。

とりあえず、全体的にマスキングを施しましたが、ハイフレットを重点的にすりあわせて行きます。
一度弦を張りなおし、弾いてみますがまだ調子良くありません。

再び弦を外し、ハイフレットを丁寧にすりあわせました。
二回目のすり合せ作業でどうにか妥協点に達しました。
次は、リアピックアップの問題です。
搭載されていたアルニコ磁石のシングルコイルピックアップは、錆による腐食が進みボールピースは黒く変色、錆による侵食でコイル上面が変形するほどの状態でした。
これをどうにかしようと思ったわけですが、とりあえず”しっかり鳴る”事が目標ですので、何か手ごろなピックアップが無いかと探しましたが、手持ちはストラト系のシングルばかり。
近場の楽器店では、有名メーカーの高価なピックアップしか取り扱っておらず、リサイクルショップ等もみて回りましたが、これと言う物は見当たりませんでした。
ネット上で廉価ギター用と思われるピックガード+アッセンブリーのセットはみつかりましたが、格安テレキャスター用リアピックアップと言う物は見つかりません。

どうしたものかと色々探し回っていた所、老舗ギターメーカー「東海楽器」のギターやアウトレット品を扱うギターショップで、TOKAIギター旧来製品用のテレキャスター用リアピックアップを発見。
The ギターショップ
http://www.theguitarshop.jp/
こちらで、国産フェライト(セラミック磁石)ピックアップを790円と言うびっくり価格で手に入れる事が出来ました。
定形外郵便で送って頂けましたので、送料も安く済みました。
本当に、ギターショップ様々です。
手に入れたピックアップは、裏面に棒状のセラミック磁石が付いたタイプ。
アルニコ磁石の物と違い、パワーが出易い傾向があります。
唯でさえ非力なシングルですから、しっかり鳴る目的ならセラミックタイプが丁度良いのではないかと考えての選択です。
早速ピックアップの取り付け。
以前、トーンカットをしたり、ミニスイッチを増設したりとやりたい放題だったギターですので、この機会に綺麗に配線をし直し、シンプルな配線へと戻しました。

はんだ吸い取り線が大活躍でした。
そして、組みあがった姿がこちら。

目論見通り、ピックアップ出力は向上。
ボロの状態から、大分楽器としての機能を取り戻しました。
セラミックピックアップの音には満足ですが、何故でしょう?感動的な音とは言えません。
ここまでのボロですから、トータルで良い音になる等とは思っていませんが、新ピックアップの音は出来すぎていると言いますか、優等生過ぎる印象です。
状態の悪いギターがピックアップに負けている感じに聞こえます。

しかし、”しっかり鳴る”という目的としては、幾つかのハードルをクリア出来たと思いますので、大方満足です。
次は機会を見て、減りが目立つナットの交換と、接触の悪くなった3wayスイッチの交換あたりを考えていこうと思います。

Fender Japan / TL71 ASH NAT

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