物価の安いアジア諸国に生産拠点を移すなどして、コストダウンを図った入門モデルが数多く生産されているエレキギター。
こうした安価な商品の流通は、大手メーカーの商品ラインナップにも少なからず影響を及ぼしている様です。
各社共に、比較的安価なエントリーモデルをラインナップに加えシェア獲得の努力をしています。
これは、超有名メーカー、Gibson然り、Fender然りです。
20年程前には、FenderUSAのギターと言えば10万円以上するのが普通で、コピーモデルでもなくFenderJAPANでもない”本物”のFenderなんて垂涎の的でありました。
ところが今では、FenderUSAから発売されているギターでも、5万円程度から手に入る時代。
FenderJapanの方が高価な場合もあるのですから不思議なものです。
そんなFenderUSAから発売されているエントリーモデルがFender Modern Playerシリーズです。
このラインナップがまた実に面白い。
Modern Playerというシリーズ名通り、伝統的なルックスでありながらも何処かモダンな仕様という、新しいFenderイメージを打ち出しています。

Fender / Modern Player Telecaster Plus
Modern Playerシリーズのテレキャスターは、センターにストラト用シングルコイルを増設し3ピックアップ化。
これに合わせて、ピックアップセレクターも5way化されています。
一般的なテレキャスターブリッジではなく、6wayハードテイルブリッジな点も特徴ですね。

Fender / Modern Player Jaguar
伝統の名モデルJaguarもModern Playerシリーズになるとこんな風になってしまいます。
ピックガードレスにP-90タイプのシングルコイル×2、チューンオーマチック系のブリッジとかなりインパクトのある見た目に変わっています。
ボディシェイプやラージヘッドなどを見れば、かろうじてジャガーなのかな?と思う位の変わり様です。
トレモロレスで舟形ジャックプレートを採用している点等、実用重視な設計が好印象。
Modern Playerというシリーズ名が良く体現されている一本かもしれません。

Fender / Modern Player Marauder
Modern Playerシリーズで何よりびっくりしたのは、Fender社の試作機、マローダーの名の付いたモデルがラインナップに加えられている事です。
Fenderマローダーは、1965年辺りに何本か作られた試作モデルです。
2000年代に入って、Fendar MEXICOからマローダーが販売されましたが、Modern PlayerシリーズのマローダーはFender MEXICO製マローダーの設計を元に作られていると思われます。
Fender MEXICO製マローダーがそうであった様に、フロントにジャズマスター用シングルコイルを配し、リアピックアップにはFender Triplebuckerという珍しいピックアップが乗っています。
5wayスイッチの操作によって、シングルコイルから、ダブルコイル、果てはトリプルコイルまで選択可能です。
エントリーモデルとも考えられるModern Playerシリーズに何故マローダーだったのか?と少々疑問も残りますが、大変面白い仕様を取り揃えた魅力あるラインナップであると感じます。
しかし、FenderUSA=正統なFenderと言いながらも生産現場は中国であり、USAだのJapanだのあまり意味を成してないような気がしなくもないです。
FenderUSAと言っても、今やUSAは単なるブランド名になってしまったと言う事でしょうか。
たとえMade In Chinaだとしても、やっぱりFenderUSA=本物な感じがしてしまう私は、既にFenderUSAという有名ブランドイメージを刷り込まれてしまっているのでしょうね。

Fender / Modern Player Telecaster Thinline Deluxe

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