ギターを弾く上で知っておくとお得な楽典その74。
今回は、楽器を演奏する上においても、また楽典を学ぶ上でも大変重要な”リズム”について基本的な部分を見直してみようと思います。

良く、音楽の三大要素として”メロディ、リズム、ハーモニー”と言われますように、”リズム”は音楽から切り離せない概念であります。
同じ並び方の音符の列を弾いてみましても、リズムが一つ違えば(すなわち譜割が異なれば)全く別のモノ・楽曲に聞こえてしまうという程、大変重要な要素であります。

単純な音の並び(リズム)であれば、見てすぐその場でそのリズムを再現するのは簡単なものかもしれませんが、中には複雑な譜割り/リズムの楽曲/伴奏もあり、これを譜面を見て直ぐに再現するというのもなかなか難しいものであったりもすると思います。

そこで、よりリズムを把握し易くする為に、リズム譜などが採用されている場合もありますが、これも基本的な解釈がしっかりしていないと間違って捉えてしまう可能性もあるのではないかと思います。

ちなみに、リズム譜の場合も”白抜き”は全音符/二分音符を表しています。

さて、リズムを解釈する上で基本的な部分。
当然、その譜面のルールとして最初に書かれている拍子記号をまず確認しなければなりません。
上記の場合、”4/4”(Cと表記されている場合もあります)。
4分の4拍子ですので、”1小節の中に4分音符が四つ入る”というルールで表記されていますよ。という部分をまず意識する必要があります。

初心者の方ですと、いきなりここでテンポだの拍子だの良くわからなくなってしまう場合もあるかもしれませんが…
テンポはその曲全体を支配する時間の流れる速度。(現実の時間と違い、曲途中で速さが変わる場合もあります)
拍子記号が表すのは、その流れの中での時間の使い方です。
テンポが速くなれば、(同じ4分の4拍子ルールでも)4分音符が示す音の長さは変化しますが、リズム自体は変化しません。
さてそして、その与えられたルール(拍子記号)の中で演奏する(リズムを刻む)事となりますが、歌と同じでまずその譜面が表すリズムを覚えてしまわなくてはなりません。

上記の様な良く出てくるリズムパターンは何曲かコピーでもしている間に自然と頭に入っていると思います。
そして、そのリズムは仮に音程が動いても同じ事。
覚えたリズムに沿って音程を変えて行けば良いだけです。
そして、この時覚えたリズムパターンというのは、口でも言い表せる状態だと思います。
上記の場合ですと、「タッタタ」、「タタッタ」という具合にです。
バカバカしい様ではありますが、結構これが重要。
譜面を見てリズムを口で表現出来る状態であれば、書かれている内容を拍子記号を含め理解出来ているという証拠だと思います。
少々難しいリズム解釈も拍子記号を含め正しく譜面を読み取り、口で表現出来る状態にする。
単純な話ではありますが、楽器演奏においてとても重要なプロセスであると思います。
そうした事を繰り返していくうちに、様々なリズムパターンが頭にも入って行きますし、譜面を見て直ぐに頭でリズムを把握出来るという機会が増えて行くと思います。
さて、最後に。
”正しく譜面を読み取る”のが大切。というのは当たり前な話だとしても、初心者の方などが錯誤を起こしやすい例を一つ。

上記譜面の左右は、一見同じ様に見えるかもしれませんが、双方のリズムは全く違うものです。
楽譜慣れをしている方ならば右側には”タイ(※)”が指定されているという事で直ぐに気が付かれるかと思います。
しかし、慣れない方にはこの差が良く分からないかもしれません。
※ タイ=同じ高さの音符を繋ぎ一つの音符として扱う演奏記号。異音程の音符を繋ぐ際には”スラー”。
これを先ほどの様に言葉で表すとするならば、左は「タッタカ」「タッタカ」。
右は、4分音符と8分音符一つを連続して演奏しますので、「ターンタ」「ターンタ」になります。
見かけは似ていても全く別のリズム/音列です。
こうしたパターンはギターリフなどでも良く見られるもので、テンポが速かったり譜割が細かかったりして見落としがちになったりしますが、コピーした内容と実際の音源は全く別物になってしまっているケースがよくあると思われます。
これを細かな差だと見過ごしたりせず正しく譜面を読み取る様にしていくと、頭の中のリズムパターンは今以上に増えて行くのではないかと思います。
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